よしをのホームページユーザーテスト

第1回「ミラクル1」テスト結果


このページはよしをのホームページで実施したユーザーテストのテスト結果をまとめたページです。
ユーザーテストの趣旨などはよしをのホームページユーザーテストのトップページをご参照下さい。

まずは今回テストしました「ミラクル1」の商品について分析致します。

名称「ミラクル1
アクアショップ「アクアシティー」が製造販売を行う、ショップオリジナル商品。

価格は単体では2千円/1本(税別、2003年1月現在)
通信販売にて全国発送しているが、通販で購入した場合は初回購入と、2本以上のまとめ買いの場合を除いて送料も負担する事が必要。
発売元が福岡県に存在する為関東地方での通販の場合も、送料は300円程度掛かってしまうのが非常に残念である。

アクアリストならこういった商品に対して一番にチェックすべき成分や原材料・製造方法については、パッケージには「カルイム・リン・マグネシウム等ミネラル元素を22種類を配合」と記載、当該テスト実施前に「アクアシティー」宛に確認したところでも「ミネラル分を多く含んだ鉱物を強い酸性の液体につけ、煮沸をして溶かした後、ろ過をするという方法」という何れも歯切れの悪い表現でしか、その正体を表しておりません。

ユーザーテストの初めのページで当初私のコメントを

残念ながら良くあるアクア商品と同じく成分や製法は秘密だそうです。
秘密と言う事はたいした原料ではなく、もしかしたら我々でも比較的簡単に手に入る原料で作られているのかもしれませんね。
日頃から私が口にしているようにアクアリウム用品は成分を公表してこそ利用者に安心感を与えるし、他の日用品や安価に手に入る薬品の転用でない事が明確になり、それなら買うだけの価値が有るだろうと受け入れられるように成ると思っています。
よってこのような商品には成分表示を行う事を今後も求めたいと思います。

としていたところ、アクアシティーより「成分は公表しているので記述内容を訂正して欲しい」との訂正申し入れをうけたものの、最終的には「成分については開発段階で分析したが、その成分比率が現在も保証されているものではない」という理由から非公開となり、原材料についても具体的な溶液の名称や鉱物の名称は明かしてはもらえませんでした。

以上の事より、結局は当初の私のコメントがこの商品でもあてはまると私は思います。

また、本テストについてはアクアシティーの2代目店長さんが全て当方との対応を行われたようですが、成分の話、後述の使用方法の違いなどについてよしをからの質問や疑問を投げかけるもあやふやな回答が多く、「開発当時とは水質の違いがあるので・・・」といったような曖昧な回答が多く、何度も「水質の違いだけでは説明が付かないほどの内容ではないですか?」などを質問を繰り返してやっと納得出来るような返答が頂けるという状況であり、それが一般の顧客が質問したりクレームを申し入れたときにもこうであるならば、あまり顧客に対するサービスや知識・技術サポートなどは期待出来ないのではないかという感想を持ちました。
(ちなみに「ミラクル1」を開発したのは初代店長さんです)

もし本テストをご覧になって「ミラクル1」を購入される事を検討される際には「アクアシティー」の知識や技術サポート、また使用した事により発生したトラブルの対処などは期待せず自己の力量のみで解決するぐらいの心構えで購入した方が良いと思います。

【商品外観】

直径4.5cmの円筒形容器(高さ12cm)、外箱は無し、内容量は130ccでビニール製のフィルムに使用法などが書かれたものが容器に巻きつけられテープで留めてあります。
作りは丁寧ですが汎用的な容器にフィルムを手作業で貼り付けているといった感じで、いかにも家内制手工業で作成している印象を受けます。

内容物は少し粘性のある感じの透明な液体、ほんの少し黄色み掛かった色をしている。

容器のフィルムに使用法が書かれているが、それとは別に「藍藻撃退用」の使用方法が書かれた紙が同封されて送られてくる。

下に双方の前文を掲載します(発売元了承済み)

パッケージ
現在使用中の水量に合わせて適量入れると水が乳白色に変化します。
それを濾過器で取り除けば後は輝いた素晴らしい水の出来上がりです。(水10リットルに対して1目盛りが基準ですが水質により多少量の加減が必要です。)

ボトルには16お目盛りが打たれておりますので1目盛り約5〜8ccといった分量になります。

藍藻除去に関する「ミラクル1」の使用方法

使用条件
「ミラクル1」はPH、KHを低下させる作用があるので、著しくPH・KHの低い環境での多量の使用は出来ません。水換えなどをして、PHを上げてから作業を行う事をおすすめします。

また「ミラクル1」を使用しての藍藻除去は完全除去のための最善の方法ですが効率よく除去するためには吸い出すなどして出来るだけ取り除いた後に、残ったものに対して行った方が時間と手間を省けます。

使用方法
  1. 濾過器やエアレーションを止めて、水流を止めます。
  2. 「ミラクル1」をスポイトに3ccほど取り、藍藻の発生している箇所にスポイトの先端を近づけます。そのときスポイト内の「ミラクル1」を押し出さずに、自然に溶け出したものを藍藻に近づけてあてて下さい。5〜6分ほどすると藍藻の色が白く変色してきます。変色しない場合はさらに1〜2cc追加して下さい。
  3. 変色しているのを確認したら、濾過装置やエアレーションの電源を入れて下さい。
  4. 変色した藍藻は、完全に細胞が崩壊していますので萎縮していきます。残っている箇所がある場合は、1〜3の作業を繰り返して下さい。ただし、大量の使用はPHの急激な低下を引き起こす場合があるので、PHの低下に注意して作業を行って下さい

☆白く変色した藍藻はヤマトヌマエビが良く食べますので、エビがいない場合は60cm水槽に対して10匹程度入れておくと良いでしょう。また、そのままでも繁殖する事はありません。
☆「ミラクル1」の一度に使用出来る使用量の目安は、60cm水槽でPHが6.5のとき、5cc程度です。90cm水槽での使用やPHの高い水の場合は、使用できる量は多くなりますが、飼育している魚に配慮して使用して下さい。
☆「ミラクル1」は本来水草の育ちやすい環境を作り、成長促進のための刺激を与えるために開発されました。また、PH・KHを低下させ、ミネラルも豊富なため、デリケートな魚のための水創りにも利用出来ます。

【商品の第一印象】

私自身のこの商品に対する第一印象は、やはり成分や原材料を公表していないというところで、よくあるアクアリウム用品の怪しいものと同様に、効果そのものにも疑いの気持ちが有るし、もし効果があったとしても価格として妥当なものかどうかという疑いの気持ちは否めないといった感じです。

例えば非公開としている酸性の液体の名前が明らかになると、それらを我々が薬局で購入してきて使用する事で、ミネラル分は無いものの藍藻退治などに「ミラクル1」に近い効果が得られるのではないかという気持ちも湧いてきます。

まあ、今までのアクアリウム用品(特に薬品系)にはそういったものが多かったので、ある程度経験のあるアクアリストなら成分非公開の薬品にはそういった疑いを持っても仕方がない事と思えます。

【今回のテスト内容について】

今回のテストについては原則「藍藻除去に関する『ミラクル1』の使用方法」の手順と用量を基本に、各テスト実施者の環境により添加量などを適宜調整してもらい行いました。
尚、本格テストの前にバケツに汲んだ水などに添加してみて水質の変化をチェックしてみる事前テストも可能な限り実施していただきました。

【テスト結果報告】

ユーザーテストのページより公募した結果今回のテストには次の7名の方のご協力を頂きました。
各テスト実施者からのテスト結果報告は以下の通りです。

(無報酬にもかかわらず貴重な時間を割いて頂きテストにご協力頂いたアクアリストの皆様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。)

テスト実施者(順不同)
JOE さん JOE さんの結果報告ページ
copapa さん copapa さんの結果報告ページ
よしみ さん よしみ さんの結果報告ページ
ウミネコ さん ウミネコ さんの結果報告ページ
かけさん さん かけさん さんの結果報告ページ
YASU さん YASU さんの結果報告ページ
minmin さん minmin さんの結果報告ページ

【まとめ】
まえおき

今回は発売元との調整の結果テスト内容としては「ミラクル1」を使用しての藍藻除去の能力のみをテストしました。
よってもう一つの「ミラクル1」の使い方である水槽セット初期の使用や換水用の水を調整するための使い方については、テスト評価を行っておりません。
つきましては本テストの結果や各テスト実施者から寄せられた商品の感想などについては藍藻除去の能力についてのみの評価であるという事をお断りしておきます。

まずは私自身のまとめを見る前にこちらから各テスト実施者に回答頂きましたアンケートをご覧下さい。

折角のユーザーテーストですので最終的な何らかのまとめをしなければ体裁が整わないため、ここに各テスト実施者から寄せられた結果や、よしをが発売元とやりとりした経緯からら、よしを自身の「ミラクル1」に対する評価を明記しておきますが、このページを見られた方は私のまとめよりも各テスト実施者の報告をご覧になって各人がそれぞれ自分の考えによって製品に対する評価を下される事をお勧めします。

よしをのまとめ

まず、この製品はかなり強力なpH変動を引き起こす可能性があり使用にあたっては慎重に行う事が前提となります。
またそういう意味で水槽の状況を推測したり判断したりする能力が無い状況で使用する事もお勧め出来ません。
藍藻除去に使用するにはある程度経験を積んだアクアリストである事が条件であり、完全な初心者ではpH低下という副作用を最小限にしながら、藍藻除去に効果的な添加を行う事はかなり難しいのではないかと思います。

パッケージの使用方法と、同封されてくる藍藻除去のための使用方法は、塩素がある状況で使用して塩素とミラクル1を反応させてから使用する場合と、塩素のない水槽水に直接使う場合の使用法の違いだという事ですが、この内容を確認するだけでも2代目店長さんからは当初「ミラクル1開発当時の水質と現在の水質の違い、またはアクアシティー所在の福岡との水質の違いの為」といったかなりヤバイ回答が返ってきたりした事から、発売元としてのアクアシティーに購入後のサポートや相談、指導などを仰ぐ事はまず期待しない方が良いでしょう。

私のこの商品に関する感想としては

  1. 成分や原材料を非公開としておりよくあるアクアリウム用の水質調整剤と同様眉唾商品である事は否めない。
  2. 価格も一般的に高めに設定されているアクアリウム用品としてみてもさらに高め
  3. ショップとしての技術力やサポート力についてもあまり期待出来ない。
    特に来店して直接相談出来ない通販購入者に対してはサポートを初めから期待しない方が良いと思います。
    またパッケージや説明書きにpHを強く変動させると明記されていますので「ミラクル1」を使用して発生したトラブルに関してもサポートや補償は期待出来ないものと思います。
    使用にあたっては完全に自己責任で行える事が前提と思われますので、そういった意味でも初心者は手を出さない事を強く強調しておきたいと思います。
  4. しかしながら上手く使用する事で、これまでの藍藻対策よりもかなり強い効果が得られる場合があり、これだけで必ず完全に藍藻を除去し再発しなくできるという事は無いながらも、色々手を尽くしてみたがどうしても藍藻が発生して困っているという状況の時に藁にもすがる思いで使ってみるというレベルでは有効と思われる。
  5. 但し、あくまでも一時的に藍藻の活動を弱らせると言うだけで水質改善を初めとした総合的な対処を行う事が大切であり、それを助けるための商品であると考えるべき。

と思います。