ヒメシロアサザ
Nymphoides coreana Hara

危急種−−絶滅の危機が増大している種

岡山県倉敷市近郊(1999.8)

[ミツガシワ科ミツガシワ属]
 関東以西のため池、水田、休耕地などでみらっれる浮葉性の多年草。種子、根茎、殖芽で越冬するということですがまだ確認していません。写真は倉敷市近郊で採取したものですが、花が極めて小さく自生地ではあまり目だたない草です。

 この草は名前こそアサザですが姿形はむしろガガブタによく似ています。アサザ、ガガブタ、ヒメシロアサザは同じアサザ属です。ですからちょっと目ではアサザといわれてもわかりません。
特徴的なのは浮葉で、いずれも葉の基部までの2裂でアサザは一部重なることもありますが、ヒメシロアサザは重なりがなくガガブタと同様です。


左 アサザ、中央 ガガブタ、右 ヒメシロアサザ

花はアサザは黄色ですが、ガガブタとヒメシロアサザは白です。

花の大きさは写真では判りにくいのですが、アサザが一番大きく約2−4cm、ガガブタは約2cm、ヒメシロアサザは実に5mmほどしかありません。マッチ棒の頭ほどです。


分布等
項 目説  明
和 名
アサザ(方言:ヒメガガブタ)
 漢 字 
姫白浅沙
 科 目 
合弁花亜綱ミツガシワ科
 学 名 
Nymphoides coreana Hara
 分 布 
関東以西の本州、四国、九州、中国大陸、台湾
 その他 
希少種 存続基盤が脆弱な種



草の特徴
項 目説  明
生育環境
池沼などに群生する浮葉性の多年草
繁殖・越冬
種子または根茎で越冬(未確認)
葉の形
腎臓形・広楕円状心臓形
葉の基部
葉と葉柄の連結部まで切れ込む
葉の先端
円頭。明瞭な頂点無し
葉縁
全縁
葉序
対生。茎の下方は互生
地下茎
ひげ状の根を多数出しながら泥の中を横走。
花序
集散花序。白花、中心部は黄色
葉の色
黄緑色
草 体
分岐しながら水中茎を伸ばし1−2mに達する。


[ 日本の水草 Top ]