よしを’S質問箱
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Q69.夏に向けて水槽用クーラーを自作しようと考えています。
【櫻井さんからの質問】
夏に向けて水槽用クーラーを自作しようと考えています。

構造
  1. 外部フィルタの排出側ホースの途中に銅管(熱伝導が良い)をコイル状に曲げたものを繋ぐ。
  2. このコイル状銅管をレジャー用オートクーラーで冷やした水の中に浸ける。
  3. 水槽の水を銅管に流し冷却する。
不安な点が1つあります。
銅(あるいはおよび酸化銅)による魚類および水草への悪影響はあるでしょうか?
関連の文献等ご存じありませんか?
A69.自作クーラーは難しい
水槽器具自作派にはどうにかして制覇したい課題が水槽用クーラーです。
構造を考えると比較的取り組みやすそうなのですが、やってみるとなかなか上手く行かないことが多いです。
かくいう私も小型冷蔵庫を改造して水槽用クーラーにチャレンジした一人です。

私が実施した方法ですが
  1. 45cm×45cm×45cmというサイズのビジネスホテルによく設置してあるような小型の冷蔵庫の本体横部分にドリルで穴を2カ所開ける。
    冷蔵庫は外側が薄い金属内側がプラスチックでその間が発泡スチロールで出来ています。
    ドリルがあれば簡単に穴があきます、表面を開けたら中の発泡スチロールは手でほじくります。
  2. 中にエーハイムのホースを10mほどとぐろを巻かせます。
  3. 2のホースにパワーヘッドで水を循環させ冷却します。
あわよくば冷蔵庫のドアポケットにビールを入れて、「水槽も冷えればビールも冷える!」というアクアリストには夢のような水槽冷却システムになるだろうとふんでいたのですが・・・

結果・・・水槽もビールも冷えません(^^ゞ

考えてみればそうですね、水槽の水を循環させて熱を奪いますので冷蔵庫のビールは冷えません、ビールは諦めても水槽は何とかして冷やしたい・・

そう考えてさらなる改造を施しました。
水道配管用の銀色の蛇腹パイプを1mほど使用して、それを製氷スペースに設置、庫内のエーハイムホースをそこに接続する。
ここまでやったらホースの中の水が凍るほど冷えるんじゃないかと思ったら・・・

結果・・・ちょっとだけ冷えた(^^ゞ

私はここで挫折してしまいましたが、次期を同じくして同じ事に取り組んでいた友人はこの後、ビール樽(3L)を改造してエーハイムホースをその樽に接続し、庫内にビール樽改造サージタンクを設置→冷えない。
最後の手段として製氷スペースの外枠(ワンドア冷蔵庫は製氷スペースの底部分で熱交換して冷却している)を取り外し、それをプラスチックケースに張った水に水没させそのプラケースの水をポンプで汲み上げて水槽水と循環させたらしいです・・・

結果・・・冷えたぁ〜 \(^_^)/

と思ったら、冷蔵庫のコンプレッサーの温度が上がりすぎて温度ヒューズが動作して数分稼働したら自動的に止まってしまったそうです・・

ということで、ここまでやって学んだ事。
  1. 間接的に冷却するのは非常に難しい。
  2. 冷蔵庫レベルでは熱交換能力が低い。

水槽用クーラーもコンプレッサー部分は冷蔵庫のそれとほとんど同じぐらいの能力ですが、コンプレッサーの廃熱部分がかなり強化されています。
水槽用クーラーは稼働時に内部のファンが稼働し排気口からは摂氏40度以上の熱風ががんがん出てきますので、それから考えても廃熱の能力が冷蔵庫とは比較になりません。

ということで、私の友人は最後にその冷蔵庫のコンプレッサーの部分にファンを取り付けて廃熱をするようにしたそうですが、その友人曰く「それなら初めから水槽水にファンで風を送れば良かった」だそうです。

まあ、ここまで書いたのでこれを真似する人は居ないと思いますが、こういった工作を勧めているわけではないですし、もしこういった工作をされる場合は全てご自分の責任で実施されますようお願いします。

それからもしやる場合は最近の冷蔵庫は廃熱部分を本体の背面以外に側面とか上面とかに設置している物も多いようなので、冷蔵庫に穴を開ける場合は十分に調査してから場所を特定した方が良いです。

今回計画されているレジャー用オートクーラーでも能力的な問題は同じ様な物ではないかと思います。
クーラーボックスとか冷蔵庫というのは密閉された空間の温度をゆっくりと下げ、それを維持することで冷やしていますので、水槽水のような熱源を循環させてはたまったもんじゃないでしょうね。

最後に、銅管ですが、これは使わない方が良いでしょう。
銅がさびて出る銅イオンは魚や特にエビなどに影響があります。

最後にそれでもなんとかやってみようと言う方にお知らせです。
ニッソーから発売されている水槽用クーラーの交換部品でクーラーパックと言う名前で内部の熱交換ユニットが手に入るらしいです価格は2,800円だそうですので、こいつを上手く使えば私にも出来なかった自作水槽クーラーが出来るかもしれません。

何度も言いますが、こういった自作は個人の責任で実施して下さいね。

水槽冷却に関わる情報は「技術集」の「水槽冷却大作戦」にも掲載しておりますので、そちらもご覧下さい。

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