よしを’S質問箱
分類 @@#アクア一般#@@
Q43.PHについて
【ひろりんさんからの質問】
水族館のネオンテトラに憧れて、昨年10月から熱帯魚飼育を始めたばかり初心者です。
60センチ水槽/プライムパワー10/蛍光灯3本/です。

今現在はレッドファントム:4/ブラックファントム:5/オトシンクルス:7/ブラックモーリー:1+稚魚2)です。
信じられない!嘘だー!とお思いになるかもしれませんが、家の水道の(浄水器も)は何もしないと平均PH8.5あります。
それでしかたなく週1回1/3の換水を毎回PH降下剤を使用して水を7.0くらいにして入れていました。
みなさんは結構、自然にPH降下すると聞きますが現段階ではPH降下剤を使用しないと勝手にPH8.0くらいになってしまい
ます。以前それでネオンテトラが10匹中6匹死にました。
そこでPH降下剤を朝入れて7.0まで下げて翌朝には7.8くらいになる。毎日PH降下剤を入れる繰り返しでした。薬漬けにもしたくなくショップに相談したら一度換水を1ヶ月〜2ヶ月我慢して水が汚れてPHが下がるのを待ったら?と言われてやってみましたが以前のような状態ではバクテリアがいるわけもないのでしょうね。換水をしなかったため水槽は苔と藻でいっぱい。
それでもPHは7.5までしかならなかった。1ヶ月で我慢の限界を超え換水と掃除をしました。1週間後、突然一晩のうちに白濁し、買い直したネオンテトラ15匹中8匹と大和沼エビ13匹全滅。
やむなく水は全換。一度、苔と藻でジャングルになった水槽は戻らず。とりあえず大和沼エビ5匹とブラックモーリーを買いPHは相変わらず7.6より降下せず、PH降下剤で調整し換水は2週間に一度にしました。最近また、突然一晩のうちに白濁し、ネオンテトラとエビが全滅。また水は全換。これではいつまでたってもPHの安定した、こなれた弱酸性の水なんて望めそうにありません。換水しながらPH降下剤を使い続けていつかPH降下剤の必要なくなるときが来るのでしょうか?
もっと安全に有効にPH降下の方法はないのでしょうか?
自然に下がることは家の水道の状態から言って絶対無理そうですし、その前に魚は死んじゃうし。こんなケース他ではないかもしれませんが、なんとか良い知恵がありましたらご指導ください。お願いします(長々とすみませんでした)
A43.高めのpHと上手く折り合いをつける。
ここでの回答で何度も話題になっていますから、もう耳タコ状態かもしれませんがまずは「よしを’s濾過話」を参考にして濾過について十分に理解して下さい。

で、それが前提での話ですが・・・
確かにひろりんさんの環境ではpHが高めですね、ただし大阪市水道局の「水道ものしり舘」を見ても分かるとおり上水道としての規定ではpHが5.8〜8.6の範囲であれば良いという事になっていますのでぎりぎり範囲内の値です。
原水がそういう状況であるところでアクアリウムをしていくにはそれに対する上手い対処を身につけなければならないですね。

そこでまず高いpHについて考えてみます。
何もしなければpHが8.0程度で落ち着くと仰っていますが、実際にそうなのであれば状況は明るいと思います。
なぜならばpHが中性程度が好ましいと言われる魚や水草はほとんどのものはpHが6.0〜8.0程度であれば問題なく育てることが出来るからです。
私が思うにpH8.0程度なら無理にpHを下げなくても十分に飼育出来るのではないかと思います。
ただし、それにはいくつかの注意点が必要になります。

まず大切なのは自分の水槽のpHが高いことをいつも意識し買ってきたばかりの魚を入れるときには特に注意して水あわせをすることです。

水あわせとは、ショップで買ってきた袋の中の魚を袋の水ごとそのまま容器に移し保温とエアレーションをします。
次に水槽の水を今移した容器の容量の1/5程度その容器に追加します。
30分から1時間経過したら容器の水を1/5捨てさらに水槽の水を捨てた水と同量容器に入れます。
これを繰り返しショップの水槽の(たとえばpH6.8の水で生きていた魚を)自分の水槽のpHに徐々に慣れさせて最後にpHを8.0にそろえて、その後に容器から魚を静かに水槽に放します。
こういった作業を水あわせと言います。

これをしない場合pHの急激な変化に対応出来ずにその場でショック死してしまったり、体力が落ちて病気にかかり数日後に病死するという現象に繋がります。

従って過去に経験された「PH降下剤を使用しないと勝手にPH8.0くらいになってしまいます。以前それでネオンテトラが10匹中6匹死にました。」というのはこういった事が原因か、又は安定しない水槽のpHが乱上下したため魚にダメージを与え死に至ったか、又は何らかの原因で濾過が不十分だったためではないかと思います。

安定するポイントが8.0でもかまわないのでなるべくpHを変動させない。
pHが高めで安定しているならそのままの維持で良いが魚を水槽に入れる場合は注意して水あわせをする。
が私からのアドバイスです。

水換えをさぼってpHを下げるというのはよくやる手段でそれ自体は間違った対処ではありませんが苔が目立つようならガラス面の掃除程度はやってごく少量の水を苔やゴミと一緒に吸い出す程度の換水はしても良いと思います。

それから、魚がメインの水槽であれば蛍光灯3灯は強すぎます。
2灯か1灯で良いでしょう。
水草水槽にしたいならCO2添加の装備を揃えてCO2添加をすればpHは下がります。
他には底床を「アクアプラントサンド」や「アクアソイル」にするというのもpHを降下させる方法として有りますが、底床掃除が出来ないなどのデメリットもあるので水草水槽以外の場合はあまりお勧め出来ません。(底床物語「底床の種類と選び方」参照)

どういう理由であれ低くなったpHを急激に上げるようなことは避けるべきです。
pHが低い状態ではアンモニアがアンモニュームイオンになって無毒化されていますがpHが上がるとアンモニウムイオンは即座にアンモニアに変わって猛毒の物質となります。
これらは魚とバクテリアの双方にダメージを与え魚の死亡やバクテリアの死滅による白濁へと繋がる訳です。

また状況が悪くなったからといって全換水するのは場合によってはバクテリアに追い打ちを掛けてさらなるダメージを与えることになる場合もあるので、状況をよく分析して対処された方が良いでしょう。

pH降下剤を使わない方法としてはピートを使うという方法も有ります。
セラから発売されている「ブラックピート」という商品がありますから、それを換水用の汲み置き水に浸けておくか、少量をネットなどに入れて濾過装置に入れたりします。
これを使うとpHは降下しますが水が赤茶色く色づきます。(ブラックウオーターと言われている)

よしを’s質問箱トップへ

よしを’sホームページへ