エビモ
Potamogeton crispus


<殖芽を形成したエビモ>


[ヒルムシロ科]
 この草は面白い習性(?)を持っていて夏の暑い盛りにカチカチに堅い茶褐色の殖芽(しょくが:一般には冬を越すための芽。この場合は暑さを乗り切る芽)を作り、もとの葉は溶けてしまうことがあります。
 そして、夏の終わりから秋にかけてその殖芽から新しい芽が出てきます。初夏に殖芽を形成し、秋に発芽する水草はほかにはありません。エビモ特有の生態です。この現象は止水で顕著にあらわれます。
 川などの流れのあるところではまず溶けることはありませんし、冬でも深い緑色の葉で冷たい川の中で生育しています。

 水槽では充分な光が必要ですが、条件が整えばさかんに酸素の泡を出し見事に成長します。 きれいな草ですから小さな水鉢や水槽でも鑑賞に耐えます。

 下の写真はエビモの花ですが、ヒルムシロと同じく残念ながら見応えはありません。



分布等
項 目 説  明
 和 名 
エビモ(別名:エビクサ、ササモ)
 漢字名 
海老藻
 科 目 
単子葉植物綱ヒルムシロ科
 学 名 
Potamogeton crispus
 分 布 
日本、南アメリカを除く世界各地。



草の特徴
項 目
説  明
生育環境
沈水性。多年草。
繁殖・越冬
そのまま、または種子ないし殖芽で越冬。
葉の形
若干幅のある線形、緩い被針形。
葉の先端
円頭または鈍頭。
葉の基部
葉柄は無し。
葉の縁の形(葉縁)
かなり激しいうねり。鋸歯状葉。
茎への葉のつき方(葉序)
互生。
 茎 
水中茎の横断面は楕円形で中央がへこむ。
地下茎
白いひげ状の根を多数出しながら泥の中を横走。
花のつき方(花序)
1−2cmの穂状花序。
葉の色
濃く、明るい黄緑色。
草 体
流れのある川などでは1−3mに達する。





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