- 2005/4/20 王余魚 さんよりご意見情報投稿
こんにちは。
お考えの原因に対してお答えいたします。
1.活性炭はリン酸の吸着に対しほとんど関係ありません。
2.舞い上がった汚れとリン酸濃度はほとんど関係ありません。
3.餌の量=糞の量は直接リン酸濃度に関与します。
4.おそらくその通りでしょう。
5.水草による水中のリン酸吸収は、ごくわずかです。水槽内ではほとんど寄与していないでしょう。
試薬で検出できないレベルの硝酸でも、水草や藻類が生育するには十分な濃度です。
そして、硝酸が検出されずリン酸が検出されたのは、硝酸の測定に使った試薬とリン酸の測定に使った試薬(測定法)の感度差によって、リン酸の方が鋭敏に検出されたためでしょう。
さて、本題です。
多かれ少なかれ、土壌中の鉱物にはリン酸が吸着し、水に溶け出しにくくなる性質があります。
例えば、農業の分野では土壌の性質の一つとして「リン酸吸収係数」という数値で表されます。
これは、「土壌がどれだけのリン酸を吸着できるか」「土壌がどれだけリン酸を吸収して放しにくいか」を表す数値で、土壌に対するリン酸肥料の効果判定や投入量の判断に用いられます。また同様に、水処理の現場でカキ殻のような天然資材を用いてリン酸除去を考える際の判断材料となります。
一般的な土壌では、リン酸吸収係数は乾燥土壌100グラム当たり数百ミリグラムで、これが火山灰土だと数千ミリグラムに達します。火山灰土に近い特性の人工物として、活性アルミナも同様の値を示します。
また、石灰石、貝殻、サンゴ砂のような炭酸カルシウムもカルシウムとリン酸が直接反応して高いリン酸吸着能力を発揮します。ただし、園芸用の焼き玉土などのように高温にさらされたものはリン酸吸着能力が劣ります。
どうしてもリン酸を取り除きたいなら、高価ですが活性アルミナを使うか、シラス台地にみられるような生の火山灰土をろ過槽に仕込めば良いでしょう。
- 2005/11/06 うしし さんよりご意見情報投稿
よしをさん、王余魚さん、遅くなりましたが、ご回答とアドバイスをありがとうございました。その後自分なりに水質向上対策をとり、今のところ上手く行っているようです。対策の一つは60cm水槽に切り替えたことです(嫁さんの反対を押し切った!)。
対策のもう一つは、鹿沼土を窒素とリンの吸着濾材として使用するもので、三重県科学技術振興センター保健環境研究部のレポートをそのまま実践しています。これは下水処理に使われる技術です。
この対策のためとは言い切れませんが、現在のところ藻類の繁殖は目に見えて抑制されています。因みに私が長期出張から帰った際(3週間水換えなし)、リン酸濃度は5ppmでしたが、濾材投入から24時間後には0.5ppm、4日後には0.2ppmとなっていました。現在では0.1ppmで推移しており、ガラス面のコケは月に1回の軽い掃除で十分となりました。よって換水と併用すれば安定した水質を保てると考えております。
なお、窒素肥料に硝酸塩検査紙を浸してみましたが、王余魚さんのご指摘どおり、あまり感度が良くないようです。近隣の店で硝酸塩試薬を扱っていなかったため、通信販売で先日ようやく手に入れました。さっそく硝酸塩の吸着効果を実験してみようと思います。よしをさん、王余魚さん、有難うございました。
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