よしを’S質問箱(Deep編)
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Q1005.イオン交換樹脂、ゼオライトの使い方について
【ランクルさんからの質問】
水道水の硬度を下げようと思って、マーフィールドのカチオンイオン交換樹脂とゼオライトを買って試してみたのですが、どちらもpHが4.0をしたまわる酸性の値になってしまうと思います。
元の水道水のpHは7.4〜7.6ぐらいの値です。
弱酸性又は中性の軟水を作りたいのですが、どのようにしたら良いのか解りません。
処理した水と元の水道水をブレンドして使用すればよいのだろうなどと考えたりもしたのですが、いまいち自信がないので質問をさせていただきました。
皆さんはどのような方法でご使用なられているんでしょうか、教えてください。
A1005.イオン交換樹脂
折角の良い機会ですのでまずはイオン交換樹脂についてまとめてみます。

アクアリウムで使用されるイオン交換樹脂には強塩基性アニオン(陰イオン)交換樹脂と強酸性カチオン(陽イオン)交換樹脂があります。
他には弱塩基性アニオンや弱酸性カチオンなどが有るようですが、それらはアクアリウムではまったく使い道がないので、基本的には強塩基性や強酸性といった部分は省略して呼ばれることが多いようです。

さらにそれぞれの樹脂は持っているイオンの種類によってアニオン交換樹脂はCl型とOH型カチオン交換樹脂はNa型とH型に分かれます。
それぞれ××型と呼ばれる物は単純にイオン交換を行った結果××で表されるイオンが放出されると読みとれば良いです。

今回使用されているイオン交換樹脂はH型のカチオン交換樹脂です。
よってイオン交換が行われると水中にはH+が放出され、その結果水は酸性になります。
通常H型のカチオン交換樹脂を使用する場合はOH型のアニオン交換樹脂とセットで使用します。
その結果カチオン交換樹脂から放出されたH+は同様にアニオン交換樹脂から放出されたOH−と結び付いてH2OとなりpHを変動させる要素がうち消されるわけです。

ちなみにNa型のカチオン交換樹脂とCl型のアニオン交換樹脂を使用すると交換されて出来る物質はNaClとなり塩に代わりますが、アクアリウムで使用する程度の環境なら問題のない量と言われており、さらに再生がそれぞれの樹脂を塩水に浸すだけで完了できるため、アクアリウムで使用されるイオン交換樹脂はNa型のカチオンかCl型のアニオンが圧倒的に多いです。

一方ゼオライトですが、ゼオライトは陰イオンを吸着する能力は有るようですが、基本的には交換するイオンは陽イオンをだと言われています。
よってゼオライトをイオン交換体の仲間と考えるとカチオン型に分類するのが正しいと思います。

よって今回はH型のカチオン交換樹脂を使用していますので、本来アニオン交換樹脂を併用すべき所、おなじカチオン交換型のゼオライトを併用したために放出されたH+が処理されずpHが酸性に成ったという事です。

アニオン交換樹脂を入手してそれを併用するようにして下さい。

なお、そうやって2種類のイオン交換樹脂を使用して処理した水はKH・GHともほぼゼロに近い水となっていますので、CO2の添加などで簡単にpHが大きく変動します。
pHの安定性が悪くなりますので、普通はミネラルなどの添加剤で調整したり未処理の水道水をブレンドしたりして調整して使用するようです。

  • 2002/07/11 巨人ファン さんよりご意見情報投稿

    私からの回答が当初H型のカチオンとCl型のアニオン交換樹脂の使用も可能との誤った情報となっているところを訂正頂きました。
    H型カチオンとCl型アニオンではアクアリウム用途には使用できませんので訂正致しました。


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