ジャイアント・アンブリア
学名 Limnophila aquatica
東南アジア原産の草で葉長は5〜6cm
弱酸性〜中性、高光量高CO2が良い。
価格:300〜2,000円/1本
ジャイアント・アンブリアは名前である大きなアンブリアという意味からも分かるように草姿はアンブリアを大きくしたような形をしている。
明るい緑色をしておりなかなかレイアウトに映える。
柔らかそうに見える大きく美しい葉は水の流れに揺らぎ水槽の中のリズムをゆっくりと刻むかのような印象を与える。
実際に葉に触ってみると柔らかそうに見えてごつごつしていたり堅かったりする事の多い水草の葉だが、ジャイアント・アンブリアの葉は見た目通りの非常に柔らかな葉である。
葉の大きさや節間は環境によって大きく変化する。
上の画像左側が低光量の悪い環境で成長した物の葉で右側が通常の葉。
光量に比べてCO2濃度が高いと葉が大きく成らず節間が伸びるという説と、それとは正反対に節間が伸びずに葉が大きくなるという説も有る。
私もジャイアント・アンブリアの成長具合を確認するためにCO2濃度を調整した事は無いので、実際の所どちらの説が正しいのかは分からないが、個人的にはより多くの光を得ようとするのだからCO2濃度が高い場合には葉が大きく成るのではないかと思う。
いずれにしてもジャイアント・アンブリアの美しさを引き出すには光量とCO2はそれなりに有った方が良い。
状態良く成長すると茎が太くなり葉の大きさも大きくなる。
水中葉と水上葉が全く違った形をしている水草も少なくないが、この草も水中葉からは想像も付かないような水上葉を展開する。
しかし後述する特徴によってこの草はショップで見かける物も全て水中葉であるため、ショップでの水上葉→自宅水槽で水中葉という一般的な変化を見ることはまず無い。
従って水中葉からは想像も付かないような水上葉を見たければ一般的には自宅で水上化する他ない。
この草の大きな特徴の一つは一旦水上葉になった茎からは絶対に水中葉は出ないという事である。
現在アクアショップで販売されている水草の多くは国内外の水草ファームで育成された物が多く、その場合ほとんどが成長させ易いといった理由から水上で育てられているが、この草に限ってはそういった特徴があるのでファームでの育成も水中で行われているようだ。
そういった特徴があるため、それほど珍しい草でも無いにも関わらずショップでの流通価格は高目である。
一旦水上葉になってしまった物は成長点(頂目)を切るか水上化してしまった部分を全て切り取って水中に沈め、新しく出てきた脇目から水中葉を展開させなければならない。
成長点をカットしたり、トリミングの際底床から抜かずに10cm程度の切り株を残しておけば簡単に脇目を出す。
まれにランナーを出して増えることもあるが、ランナー・脇目共に出る確立はそれほど高くなく、意図的に脇目を出させたりしない限りそれほど増えることは無い。
ファームでの育成はどうやら比較的浅い水深で育て、ある程度成長した物をカットして出荷し底床には切り株を残す、そこからまた新しい脇目を育てるという方法で行っているようである。
その浅い水深で育てているのが原因かそれともショップの管理が悪いのか理由は分かりませんがまれにショップで上部の1節程度が水上化してしまっている物を見かけることがあります。
そういった物を買ってしまうと自宅の水槽でまず脇目から水中葉を育てなければならないので、出来るならばそういった商品は買わない方が良いでしょう。
この草は環境が合わない場合発根し難くなるように思います。
うちでも発根がし難くトリミングを行うとしばらく成長がストップしてしまう状況が多いです。
1日水面に浮かせてみたり、メネデール浴をしてみたりしたのですが、発根し難い環境ではどうやってもそれを改善する方法は見つかりませんでした。
そういった環境ではトリミングの回数を減らす為にある程度短く切り戻した方が良いのかもしれません。