熱帯魚を飼育していると種類によっては非常に良く繁殖する事があります。
中には希望せず増えてしまった魚を池や水路に捨ててしまうような心ないアクアリストも居るようですが、そういったことは絶対にやって欲しくないですね。
どうしても困った場合には行きつけのショップなどに相談すれば場合によっては引き取ってくれる事もあります。
増えた魚が比較的高級魚(1匹で何千円もする場合)や人気のある魚の場合ショップに持って行かなくても、アクアリウムをやっている友人等にもらってもらえます。
うちで繁殖したアピストやコリドラスも沢山貰われていきました。
そういった場合に貰われていくのがご近所なら問題ないのですが、パソコン通信やインターネットで知り合ったアクアリスト同士だと結構遠方だったりする事も少なくないです。
そういった場合に水草の送り方同様魚だって注意点を守れば宅配業者による配送が可能なのです。
ここでは、そういった場合を想定して生きた熱帯魚の送り方を説明致します。
この方法であれば3〜4日程度は生きたまま魚を配送出来ますから引っ越し業者を使った遠方への引っ越しをする場合にも使えます。
これから説明する方法は原則小型魚を対象にしています。
大型魚の場合は捕獲してパッキングする際に魚を傷めないために麻酔をしたりしますので、もし大型魚を引っ越しなどで運ぶ場合には信頼のおけるショップに相談されるのが良いでしょう。
配送の間は濾過のない袋に入ってもらいますので、まずはなるべく水を汚さないように対策します。
パッキングする2〜3日前から餌を与えずに絶食します。
通常の小型魚なら5〜10日間ぐらいは餌を食べなくてもすぐには餓死しません。
袋に入ってから自分の排泄物で水をなるべく汚さないようにするわけです。
次にパッキングですが、袋は皆さんがアクアショップで購入してきたときに魚が入っている袋かそれに近い袋を使います。
サイズが手頃で厚みがそこそこあって丈夫そうな袋ならOKです。
水の汚れを考えてあまり多く入れない方が良いです。
よく見かけるアクアショップの袋で、小型カラシンやグッピーで5〜10匹、コリドラスなら5匹程度が一緒に入れる限界じゃないでしょうか。
ヒレに棘があるタイプの魚は袋を2〜3重にしておいた方が良いです。
また一部のコリドラスのように体液から毒のある成分を出すと言われるような種類の魚は違う種類の魚と一緒にパッキングしない方が良いです。
袋には飼育していた水槽の水と一緒に入れます。
袋の中ではエアレーションとか出来ませんから酸欠にならないようにアクアショップで販売されているスプレー缶式の酸素を充填したり、日本動物薬品株式会社から販売されている携帯用O2ストーンを一緒に入れたりします。
袋を何重にも重ねてパッキングできたなら1つずつの袋を新聞紙でくるみます。
一部のアクアショップでは冬場には同じように新聞紙でくるんでくれますが、これは保温のためでありこれ1枚でかなり保温効果が上がります。
最後にこうして出来た袋の包みを適当な箱に詰めます。
箱は冬場なら発泡スチロールの箱を使うなどしてなるべく温度を逃がさないような箱を使います。
箱詰めには中で袋が動かないよう空いた隙間にはクッション材を詰めるなどしてきっちりとパッキングします。
万が一のトラブルを考えて箱にはそのまま入れないで大きなゴミ袋でくるんで入れるなどすれば良いかも知れません。
最後に宛先などを書いた宅配申し込み書を記入し準備完了です。
宅配業者や郵便局では内容物が熱帯魚とした場合、死着した場合のトラブルなどがあるため受付をしてくれない事が多いです。
私はいつも「生ジュース」と書いて発送しています。
言うまでもありませんが、こうした配送でもし魚が死んでしまっても完全に利用者の責任ですのでそれについても、十分に納得した上で利用しなければなりません。
最後に発送と受け取りの注意です。
生体ですので1時間でも早く受け取り袋からだしてエアレーションや保温の措置をする必要があります。
そのためには
熱帯魚は低温に弱い物が多いです。
こういった配送は最低気温が10度を下回るような季節や地方への発送は控えた方が良いです。