ここでは水草水槽の一般的濾過装置である外部式濾過装置(パワーフィルター)のメンテナンスの方法を纏めてみました。
考え方としてはその他の濾過装置の場合も当てはまると思います。
まず濾過装置については何か起こってから対処するようでは遅すぎる場合が多いので注意が必要です。
掃除の時期を長期間過ぎてしまうと気が付くときには詰まりや流れの偏りなどで強烈に濾過バランスが崩れてしまってから気が付くという可能性が大きいからです。
もちろん濾過装置本体も重要ですが濾過装置本体が健在でもシャワーパイプが詰まったりして水流が止まっても同様の濾過障害が起こりますので、パイプやホースのメンテナンスも大切です。
濾過装置の掃除は魚の数や与えている餌の質と量によって一概に何カ月おきと言い切れないところがありますが、後述する特別な場合を除いては1年も経っていればとりあえず掃除をするか、少なくとも濾過装置を開けて汚れ具合の確認はしておいた方が良いです。
唯一1年以上経っても掃除が不要な可能性があるのは、余裕を持った濾過装置を使用している場合で且つ、水槽内の吸い込み口にP1フィルタやP2フィルタを付けており、それを2〜3週間程度の間隔でもみ洗いなどしてきちんと管理していたフィルタの場合、かなり高い確率で1年以上経っていてもそれほど汚れていない事が有ります。
掃除の必要が有るか無いかはやはり濾過装置を開けて中を見てみるしか有りません。
メンテナンスのサイクルがまだよく分かっていない水槽では少なくとも半年程度の間隔でチェックしメンテナンスのタイミングをつかむように心がけた方が良いと思います。
ヘッドを開けてみて最上部のウールを取ってみてください。
たぶんウールの濾材に触れていた方は茶色いどろどろがべっとりだと思います。
濾材の方を見て濾材の一粒一粒にどろどろが所どころ付いてはいるものの、ほとんど濾材の粒がちゃんと見える程度なら掃除をする必要が無いと思います。
最近の濾過装置のように濾材がコンテナに入っていてそのままで下段の濾材も確認できるようなら同様に下段の濾材やその下の容器の底もチェックしてみてください。
多少のどろどろは濾過がちゃんと機能している証拠ですから、必ずしもぴかぴかである必要は有りません。
もし掃除する場合。
複数の濾過装置が有る場合は同時に掃除しないことが鉄則です。
そうすることによって掃除によってバクテリアにダメージを与えても触っていないもう一方の濾過装置で濾過がまかなえます。
残念ながら1つしか濾過装置がない場合は、掃除しすぎないこと、これが最も大切なポイントです。
方法としては水槽の水をバケツに取って(換水するときなどの捨て水が良い)そこに濾過装置の中の濾材を投入します。
その状態でバケツに手を入れて底の方から3回ほどかき回して終わりです。
汚れが沈殿しないうちに多少のどろどろをすくっても気にせず装置に濾材を戻します。
最後に装置を元通りセットして終わりです。
Oリングのセットを失敗すると水漏れしますので慎重に行いましょう。
掃除の程度は「っえ?こんなんで良いの?」と言う程度ですが、これで良いのです。
これ以上やるとバクテリアに悪影響があり、下手をすると濾過が機能しなくなりますので注意が必要です。
もし濾過装置内が1種類の濾材のみでセットされている場合は装置の下半分を掃除して上半分をそのまま下にセットして洗った濾材を上にするという方法も有効です。
濾過装置を掃除した場合は濾過バランスが崩れる可能性がありますので、必ず掃除後2週間程度は亜硝酸濃度のチェックを行い、濾過の状態をチェックしてください。
濾過装置掃除後の過度の換水はバクテリアに追い打ちをかけるようなものですから換水しすぎないようにいつもより少し換水間隔を開ける程度の対応が良いと思います。
万が一掃除によって濾過バランスが崩れた場合白濁などが起こりますが、その場合もあまり慌てずに対処しましょう。
異常が起こっても何かする前に必ず水質のチェックをしてください。
亜硝酸濃度だけで良いでしょう。
亜硝酸濃度が0.25mgを超えるような生き物に影響が有りそうな場合のみ、それを解消するための最低限の換水を行います。
この場合も過度に換水しすぎないことが大切です。
亜硝酸濃度が上がっていない場合は多少白濁があっても我慢しましょう、大きな問題は有りませんし、必ず回復します。
慌ててバクテリアの元や薬品を投入するのも逆効果であることが多いので、そう言った物を使うこともやめた方が良いです。
技術情報の「よしを’s濾過話」も参考にしてみてください。