自家製コントラコロライン

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アクアリウムをやっている人で「コントラコロライン」を知らない人は居ないでしょう。
左の画像の商品がコントラコロラインです。
この商品は”塩素中和”とか”カルキ抜き”と呼ばれる水道水を処理する為の商品です。
「コントラコロライン」とはドイツのテトラベルケ社の登録商標で日本ではクロレッツガムで有名なワーナーランバード(株)が発売元となっている商品です。

日本の上水道には大腸菌他の有毒な細菌が入り込むことがないよう浄水場で塩素が添加されます。
プールの水のあのつんとくる成分が塩素です。
塩素は殺菌作用があるため塩素を含んだ水道水をそのまま水槽に使用すると、含まれる塩素の作用によってバクテリアが死滅したり魚が死亡したりします。

そのために水道水を水槽に入れる場合には「コントラコロライン」をはじめとする、塩素中和をするための薬品を使うとされています。
(塩素や塩素中和の詳しい情報はおーつかさんのホームページからお水の話をご参照ください。)

実はこの塩素中和という処理は昔から金魚の飼育などで使われている「ハイポ」という商品を使えば非常に格安で出来るのです。

私もこの度、このページを作成するために(コントラコロラインの容器が欲しかったので)コントラコロラインを久しぶりに購入してみました。
私が買ったのは500ml入りの商品で700円でした。
昔はもっと高かったような気がするのですが、さすがにそんなにお金を払うほどの効能も無いので少し値下げされたのかな?

それにしても、昔に比べればパッケージも変わりましたねぇ・・
一説によると2〜3年前からアメリカなどから並行輸入品が日本に入るようになってワーナーランバード社がかなり焦ったとか・・・
だって海外では同じ商品がスーパーなどで100円〜200円程度で売られているんですから、それを並行輸入するアクアショップなどが現れてもおかしくないですからねぇ・・
で、その言い訳として日本で販売されている「コントラコロライン」は日本の上水道の成分に合うように作られた物で海外で販売されている物とは内容が違うとか・・・
ということで、最近のパッケージには”日本仕様”なんて、でかでかと書かれているというわけです。

「コントラコロライン」はこれから説明する「コントラコロラインもどき」とほぼ同様の成分で出来ています。
”ほぼ”ということは逆に言うとどこかが違っていると言うことになりますが、テトラ社の言い分からすれば「塩素中和以外にも熱帯魚飼育のための水として好ましい状態になるような調整成分も含まれている」と言うことだそうです。
まあ、パッケージの説明書きを読めばそのような文章が書かれています。
そういった成分が必要で本物のコントラコロラインを買おうと思う方は本物を買えばいいでしょう。
塩素中和を行う機能は「コントラコロラインもどき」も「コントラコロライン」と同等かそれ以上の能力で有ることは塩素中和の化学式より実証されています、それ以上のコントラコロラインの性能を特に必要ない(またはどういった機能かよく分からないから不要)という人はこれから説明する「コントラコロラインもどき」を使えば安いコストで塩素中和が行えます。

ということで、このページでは「コントラコロライン」ではなく「コントラコロラインもどき」を作ることになります。
最後に「自家製コントラコロラインもどき」の制作コストを試算してみますが、それを知ってその上効能が本物の「コントラコロライン」とほぼ同様知ってしまうと、そのコストの違いに驚く人も少なくないでしょう。

材料

まず何はなくてもこれは必要です。
これぞ、アクアリウムなんていう用語が使われる以前の金魚を飼う時代から使われてきた「ハイポ」と呼ばれる商品です。
成分はチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)です。

いまでもアクアリウムの手引き本なんかで、ハイポを使用する事が書かれていたりしますが、昔は「バケツ1杯の水道水に1粒のハイポを溶かす」と言われていましたが、それではかなり使いすぎです。

今回のように溶液を作って使わずに粒のまま使うのであれば100Lの水道水に対して1粒で充分です。
ちなみにこの商品は100gの内容量で200円程度でした。
少し大きめのアクアショップに行けば取り扱っている商品ですが、これを売るよりは「コントラコロライン」を売った方が儲かるのでハイポを取り扱っていないアクアショップも多くなっているようです。
昔から有る熱帯魚屋さんとか金魚を扱っているお店から発展したようなアクアリウムショップ、又は鯉を扱っているようなお店なら必ず扱っています。

作り方

さて、今回は最後まで「コントラコロライン」にこだわってみます。
”コントラコロラインとまったく同じ使い方で同じ塩素中和効果が有ること”これが目標です。

コントラコロラインは水10Lに対して2mlの投入とされています。
一方ハイポは蛇口からの上水道の残留塩素濃度が1ppmと仮定して100Lの水道水に96mgのハイポを投入すれば良いことになります。

ということで5g弱のハイポを1Lの水で溶かした溶解液を作れば、「コントラコロライン」と全く同じ使い方が出来るというわけです。


ハイポの内容物は左の画像のようになっています。
重量を量ったところ約50粒で5gの重量でした。

粒としては大きな物から小さな物まで色々ありますが平均して1粒0.1gだと思って良いでしょう。

今回は念のため溶解液を作る水に汲み置き水を使うことにしました。
これで溶解液に塩素が含まれることはないでしょう。

コップに水道水を入れて2日ほど放置すれば大丈夫です。

今回私が使う「コントラコロライン」の容器は500mlサイズなので、その容器にハイポを25粒投入し、容器の一杯までコップに汲み置きした水を入れてからシェイクしてハイポを溶かせば出来上がりです。


こんなに簡単に「コントラコロラインもどき」が出来るので、私は初めの1回だけ(容器を入手するために)購入して、それを使い終わったならハイポを使って「自家製コントラコロラインもどき」を使うようにしようと思います。

ハイポと水の比率は。
500mlサイズの容器の場合ハイポを25粒、250mlサイズの容器を使う場合はハイポを13粒となります。

これで計算したところ100gのハイポで20Lもの「コントラコロラインもどき」が出来上がることになります。
500mlの「自家製コントラコロラインもどき」のコストは5円と言うことになります。
ちなみに私が買った500mlの本物「コントラコロライン」は700円でしたから「自家製コントラコロラインもどき」に比べて140倍の価格ということになりますね。

このページで紹介していたデータで、ハイポの使用量が実際に適正と思われる量より若干不足する使用量を採用していたことが判明いたしました。
2000年6月6日に本来必要と思われる使用量に記述を変更いたしました。
お詫びして訂正いたします。


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