テスト実施者「よしを」からの結果報告
このページはよしをのホームページユーザーテストのコーナーで実施された第3回「クリアカーボン」に対するテスト結果報告のページの一部分です。
各テスト実施者からのテスト報告のページは全部で4ページ存在します。
正確なテスト結果の情報を得るために必ず第3回テスト結果報告のトップページからご覧になる事をお勧め致します。
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これまでのユーザーテストではなるべく多くの方にテストに参加して頂いて、結果を頂きたいという気持ちと、利用者の立場で公平であると言う事、そして、偏らない色々な意見を頂きたいという気持ちで、よしをはテスト実施には参加せず、全体の纏めとちょっとしたコメントのみでテストを行ってきましたが、今回はテスト実施者の応募が少なかった事もあり私自身もテスト実施に参加してみる事にしました。
ユーザーテストと言うからには何らかの基準や比較に成るものが無ければ良いも悪いも評価のしようがありません。
ということで、私のテストは一般的なアクアショップで販売されている活性炭として株式会社ミヤザワの「活性炭」と「クリアカーボン」を比較する事でテストを行った。
まず、手にしてはじめて驚くのがクリアカーボンのパッケージは真空パックになっているということです。
まさに吸着能力が開封するそのときまでパッケージの中で温存されているような印象を受け、その能力に期待できるような印象を受けます。
メーカーに確認した所、これはパッケージ時点で袋の中の空気を抜いて真空状態にしているのではなく、袋に密閉される事でクリアカーボン自体が袋の中のガスを吸着する為、パッケージ後しばらくすると真空状態に成ると言う事でした。
吸着能力の証でもあり、さらにそれにより湿気を初めとするいろいろな成分を購入して使用するまでに無駄に吸着されてしまっている事も無い為、気分的に良い気がします。
ただ、残念な事にうちに到着した被テスト商品2個のうち1個は、到着時にこの真空状態が保てていないパッケージが有りました。(左の写真)
輸送はエアキャップで比較的丁寧に梱包されて宅配業者により届けられましたが、その途中でパッケージの何処かに小さな穴でも開いたのでしょうか、袋には普通の状態で活性炭が入り、さらに輸送で振られた為袋の中で粉状のものが大量に発生しているように見えました。
(写真左が真空状態の商品、右が真空で無くなっていた商品)
もしもパッケージの性質上や箱詰めの性質上私のところに届いた問題の1個体の様に、比較的真空が切れてしまうようなケースが多いのであれば、是非とも改善してもう少し丈夫なパッケージにしてもらいたいと思う。
真空状態である事に機能的な差がさほど無いとしても、気分的な面で真空状態である事はこの商品の価値の幾分かを占めていると思う。
もしアクアショップで購入する場合に真空が切れている個体が有れば私なら買わないし、アクアショップもメーカーもそれらは返品の対象として欲しい。
真空である事の利点はもう一つ、輸送中にこすれたりして粉やカスが発生し難いというのも有ると思う。
まあ、活性炭はある程度すすいでから使うのが普通ですので、粉やカスもそのときに処理されるだろうから気には成らないが、クリアカーボンはネットなどに入っていない事もあり粉やカスが少ないに越した事は無い。
今回テストで比較したミヤザワの「活性炭」と基本的仕様を比較すると以下の通り。
ミヤザワの「活性炭」 | 「クリアカーボン」 | |
価 格 |
近くのショップで398円で購入 | オープン価格実売千円前後(メーカー談) |
包 装 |
普通のビニール包装、ビニールチャックなどは無し。 開封後は食べかけのスナック菓子の保存に準じて輪ゴムでしばるか? 中が6このネットに分かれているのは使い勝手が良い。 |
スタンディングパウチ包装、真空パック。 ビニールチャック有り。 粒の見た目を含めていかにも玄人っぽい包装で、場合により使う量や使い方を変えたいマニアには受けるかもしれないが、やはりネットに入っていないのは不親切な気がする。 |
容 量 |
1ネット約150cc、一袋6ネット入りですので約900cc |
約960cc 容量1リットルと表記しているのに、3度量ったが1リットルには若干満たないと思う。 まあ、粒状のものなので量り方で容量は変化するが、1リットルと表記するなら1,150ccぐらいを封入して、せこいユーザーが容量を量っても絶対に不足する事が無いぐらいにして欲しい。 |
重 量 |
525g 比重(100ccあたり) 58g |
454g 比重(100ccあたり) 47g 一概に判断できないが比重が軽いというのは不要な湿気などを吸着していない事の表れのような気がして良い。 |
内 容 物 |
「クリアカーボン」と同じ小さな円筒形の物体が9割ぐらいだが、残り1割は砕けた状態のものが混ざっている。 もともと円筒形だったものが輸送中に砕けたという物ではなく、明らかに2種類の違った原料を混ぜ合わせた状態。 但し、これは水通りが良すぎないようにする為や吸着能慮の違い(例えば即効性と遅効性とか)を組み合わせる為の、製品独自の工夫であると言う事も予想される為、一概に2種類の原料が混ざっている事が悪いと言う事も言えない。 |
小さな円筒形の物のみ。 粒や光沢・色など見た目できちんと揃っている事から、ある程度の品質基準を満たした原料を使用しているのだろうと想像できる。 ただ、短期間で取り替えその吸着能力が全てである活性炭としては、フィルターに入れた場合に、この粒の形状と大きさでは、水通りが良すぎる事で問題が出てくるのではないかという気もする。 |
基 本 仕 様 の 評 価 |
お手ごろ価格でネットにも入っており使いやすく、どんどん使ってどんどん捨てるという一般的な活性炭の使用方法では価格を含めて使いやすいと思う。 私の知っている一般的なアクア用活性炭の典型ともいうべき商品。 |
真空パック、チャック付き包装、粒のそろった内容物、全てに高機能な印象を受ける。 しいて言うならば真空パックをもっと前面に出して、高級コーヒー豆の様に「光やガスを通しません」と主張するような、金とか銀とかの包材にすればさらに高機能感が増すかも。 粒の揃った内容物や真空状態が見えるのも捨てがたいので、中が見える小窓は必須。 |
まず「クリアカーボン」の一つのセールスポイントである「未使用のバージン活性炭」と言う事で、何らかの違いが発見できるかテストしてみた。
もちろんミヤザワの「活性炭」が使用済みの再生品である確証は無いが、これまでのアクアリウム業界の常識と廉価である価格から判断すると、かなり安い原材料を使用しているだろう事が想像できる。
テスト内容はいたって簡単。
再生品なら再生時に使用した薬品とか、または再生前に吸着したものが溶け出して来る、未使用のバージン活性炭ならそれが無いだろうとの想定から、プラケースに同量の水道水を入れ、それぞれ300ccのテスト商品を静かに入れ、その状態で数日間放置してみた。
ミヤザワの「活性炭」 | 「クリアカーボン」 | |
40 時 間 後 |
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ほとんど状況は変わらないが水面の油膜上の物がほんの少しミヤザワの方が多く出ているように見える。 | ||
1 週 間 後 |
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pH9.3まで上昇 | pH9.2まで上昇 | |
水道水のpHは7.3 pHはどちらも同じぐらい上昇。 見た目の変化は両者の違いが歴然。 |
次に活性炭の命である吸着能力のテストを行う。
GEXより販売されている小型のエアリフト式の内部式濾過装置を2個購入
購入時の濾材は写真のようにウール素材のもの(中に活性炭が混じっている)の下に麦飯石に類似した感じの石が入っている。
この濾材をすべて出して濾材の代わりに活性炭を入れた物を準備。
百円ショップで購入した水彩用絵の具を水に溶かして藍色の水を準備。
これをテスト1で使用したプラケースに同量をセット。
活性炭を詰めたエアリフト式濾過装置を投げ込み、1台のエア・ポンプから三つ又分岐を使用して、なるべく流量が同じになるように調整して2週間状況を調査した。
ミヤザワの「活性炭」 | 「クリアカーボン」 | |
テ ス ト 開 始 時 |
セット直後の状態。 三つ又分岐の調節を行い、常に見た目同量に見える流量に調整。 |
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3 日 後 |
3日後。 状況はほとんど変化無し。 |
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5 日 後 |
5日後。 双方ともに若干色が薄くなったような気もするが、ほとんど変化無し。 準備した絵の具水の絵の具の量が多すぎたか・・・ 実験失敗の心配有り。 |
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10 日 後 |
このあたりから目に見えて劇的な変化有り。 明らかにクリアカーボンの方が透明感が増してきた。 |
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まだまだ濁った藍色 |
透明度が増してきてスケルトンのような色に。 |
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2 週 間 後 |
写真で見ても明らかに透明度が違っている。 画像では光の加減で分かり辛いが肉眼ではその差は大きい。 |
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藍色の水彩絵の具が果たして実際の水槽の場合と同様の効果を現しているかどうかは分からないが、この実験の2週間の状況だけを見るとミヤザワの「活性炭」より「クリアカーボン」の方が吸着能力の力や持続力が大きいだろうと想像できる。
2003年12月に自宅近くの比較的大きめのアクアショップへ行ってみたところ、「アクアガーデンシリーズ」の商品がけっこう多数陳列されていた。
「クリアカーボン」の価格は”定価1,500円”と記述の上”特価980円”と成っていた。
陳列されているクリアカーボンは5個あったがうちに届いた被テスト商品と同じで真空になっていない物が2個後ろの方に陳列されていた。
やはり比較的真空が保てないパッケージは発生するようだ。(このお店では4割のパッケージに不具合があった事から)
その辺は改善の余地があると思う。
活性炭という性格と機能だけを考えれば現在の千円前後という金額は高すぎると思う。
自分で買うなら6百円ぐらいかな?
しかし商品のセールスと言うことを考えると5〜6百円というのはいかにも中途半端な額で、千円ぐらいのちょっと高めの設定の方が購入意欲をそそるという考え方も出来る。
やはり後発のメーカーでありアクアリストのニーズは十分に理解できていると思われるので、これまでのアクアメーカーやアクアグッズのマーケットに根付く悪しき習慣や、商売の方法を一新するぐらいの事をやってもらえればと思う。
再生品でない活性炭や添加剤を使わない商品でその”質”をセールスポイントにするのなら、是非とも成分や原材料製造方法を明らかにして購入者に製品にたいする自信をアピールするぐらいのことはやってほしいし、そのぐらいの目新しいことをしなければ新たに消費者にアピールすることは出来ないのではないか。
いずれにしてもメーカーや商品のコンセプトをどのようにアピールしていくのかが大事ではないかと思う。