キドロネラ症

原因

 原生動物の繊毛虫であるキドロネラが寄生すると粘液が過剰に分泌されることにより起こるものです。この寄生虫は分裂型で増殖し、水を伝わり移ってくるタイプです。体表が灰色になったり、青味が掛かった灰色に覆われます。
しだいに動きが鈍くなり衰弱していき死亡します。体表にも寄生しますが、鰓の場合も割と多くあり、呼吸困難になってきて死亡率が高くなります。
 比較的低温性で水温20度以下での発生が見られますが、多くは10度前後に発生しやすいですから水槽飼育ではあまり見られないかも知れません。しかし、注意は必要であると思います。

症状

 他は分かり難いですが粘液を取ってメチレンブルー染色したものを顕微鏡で見ると解るようです。肉眼では病原虫は見えないので、確認は100倍程度顕微鏡で鰓や体表の粘液をスライドガラスにつけてから見ます。虫はトリコディナより小さく形は長円で不揃いのものが動き回っています。
 繊毛虫ですが繊毛はなく、健康的な魚には掛かり難く、体調を崩した時や衰弱した魚に寄生します。コイ科、ナマズ、バス類や金魚、錦鯉で見られます。

対策・治療

 病気回復期に寄生されたり冬期の低温時期に寄生されていることもありますから屋外の池や暖房を取っていない水槽では春先に動きが鈍いと感じたときには消毒するようにしてみて下さい。
 水温を23度以上にすれば治癒してしまいます。春先にはそこまで水温を上げられない場合がありますら次のことを参考に行って下さい。

または

予防として金魚、錦鯉では春先にマゾテンやリフィシュでの散布後にマラカイトグリーンの散布で殺虫できます。

※【海水魚のブルークリネラ】
 これはキドロネラの近縁種で様々な海水魚に寄生するものです。その形態はキドロネラに似ており、炎症、出血、上皮の剥離、鰓弁の癒着などの症状がでます。

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