よしを’S質問箱
- Q551.水換えをすると水草が酸素を出し始める
- 【いいじまさんからの質問】
はじめまして。もし何かサジェストいただければ幸いです。
当方、熱帯魚を飼い始めて1年半になります。
30cm水槽、大磯砂、エーハイム2211フィルター、60W相当インバータ蛍光灯11時間/日、出水パイプへCO2強制添加24時間/日(バブルカウンターで1泡/5秒ぐらい)のシステムで、水温25〜26℃、pH6.8〜7.5ぐらい、半量換水1回/週、肥料添加なし、カラシン中心15匹(サイアミーフライングフォックス2匹、コリドラス1匹を含む)、給餌1日1回の条件で、魚と水草を育てています。
魚たちは元気で、アンモニア濃度も正常範囲です。
水草も恐ろしいぐらいに良く育っており特に問題は無いのですが、よその水槽で見られるような、水草表面から立ち上る酸素の泡が全く見られません。
ただ、週1回の換水直後からおよそ1日間だけ、盛んに酸素が立ち上る姿が見られます。
水槽中の水の中に、何か不足しているものか、逆に害のあるものが貯留しているのでは無いかと心配です。
もし何か問題があるようでしたら、是非ご指導ください。お願いいたします。
- A551.換水と泡プク
- 水草に酸素の気泡が沢山付いている姿や水草が作成した酸素の筋が水面に向かってつ〜っと流れている様は水草フリークにとっては非常に心そそる物であり、そんな水槽を眺めているときは貴金属店のショーウインドウをうっとりと眺めている女性の気持ちも分かるような気がしますよね。
そんなすばらしい姿を見るにはいくつかの条件があります。
まず大切なのは水草が元気で盛んに光合成を行っているという事が必要です。
また、いかに水草が元気でも水槽にその水草1本だけしか無い状態では一生懸命作成された酸素もすぐに水に溶けてしまう為に気泡として目に見える状態には成りません。
光合成で作成された酸素が気泡となって目に触れるようになるか、それともすぐに水に溶けてしまうかは、水中の酸素飽和度に影響します。
水に酸素が溶ける量は温度によって決まっていますからその値に達していれば、酸素はそれ以上水に溶けず、光合成によって作成された酸素はどんどん気泡となりやがて水面に達し空気中に逃げ出すように成ります。
一方溶存酸素濃度が低い状態であれば光合成によって作成された酸素は水に非常に溶けやすく気泡となって目に見えるようになる前に水に溶けてしまいます。
もうお分かりですよね。
水道から直接水槽に注がれた水は溶存酸素濃度が高いのです。
水道は水を送るためにポンプで圧力を加えられて送られてくるので、色々なガスが圧力により溶解されており、当然酸素も二酸化炭素も通常以上に溶解しています。
場合によっては通常の圧力に戻るだけで溶解状態から気体へと戻るほどのガスが含まれています。
お風呂に水を張って沸かしたばかりの時の一番風呂に入ると体に気泡が沢山付きますが、あれは水道に含まれていたガスが通常圧力に戻り、さらに加熱されて溶解率が下がった為に、気体へと戻った結果そうなるのです。
ということで、水道水にはとくに変な成分が溶けているわけでもありませんし、ふだんあまり酸素の気泡を見せない水槽でも水換えの直後には気泡が沢山付くのはそういった理由からです。
しかし、先のお風呂の例のような状況が魚のエラ部分で発生すると呼吸が出来なくなったり、特定のガスの血中濃度が上がりすぎるために病気になったり、ショック死するような事も有るので、そういった事に気を使う意味でも水道水を直接換水に使わない方が安全であり、汲み置きをしてエアレーションにより塩素を排除して温度あわせをきちんとした水を使うことが一番望ましい方法です。
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