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Q504.エアレーションについて
【sakananさんからの質問】
こんにちは。
熱帯魚を飼って1年位の初心者です。
いつも参考にさせて頂いてます。

エアレーションなのですが、一般的に、夜間にするものなのですか?
(どれを読んでも「夜間エアレーション」と書いてあるので)

60p水槽に20匹程飼っています(カーディナルテトラなど)水草は、5種ほど。
キレイなので背面に沿わせて、泡を出しているのですが夜は、うるさいので止めています。
ひょっとして、おバカな事をやっているのでしょうか?

それ以外も、エサが食べにくそうなので止めたりと動かしたり止めたりしているのですが、これは、よくないことなのでしょうか。

非常にバカな質問かもしれませんが、お答え頂ければ幸いです。
宜しくお願いします。

A504.夜間エアレーション
夜間エアレーションとは逆の言い方をすれば昼間はエアレーションしないという事です。
なぜ昼間はエアレーションしないかというと、せっかく添加したCO2がエアレーションを行うと発散されて水槽の外に逃げてしまうからです。
コカコーラをコップに注ぎ、ストローをさして口で息を吹き入れぶくぶくしていると5分ほどで気の抜けたコーラができあがりますよね?
CO2は別名炭酸ガスで炭酸飲料のあのショワーっとしたソーダ成分というのはCO2が水に溶けた結果です。
水槽でもぶくぶくやると水槽水の中の炭酸がとんでしまうというわけです。

また小型ボンベなどでCO2を添加している場合は60cm水槽で月に千〜二千円のボンベ代が掛かります。
そのような環境ではCO2のコストというものは非常に高く、せっかく添加したCO2をぶくぶくして無駄にすると言うのは大変もったいない事なのです。

CO2添加をしているということはその水槽には水草が入っているわけで、状態の良い水草水槽ならCO2を添加することで、日中は水草達が光合成を行い酸素を水槽水に供給するので、エアレーションを行う理由としての溶存酸素濃度の確保という意味では蛍光灯がついている日中にはエアレーションを行う必要性がないわけです。

従って一般的な水草水槽ではCO2がもったいない事と、その必要性がないために日中エアレーションを行わないのです。

しかし、日中はそれで良いとしても飼育している魚の数が多かったり、大型魚だったり、または水の汚れが激しくバクテリアが活動するための酸素を大量に必要だったりした場合、夜間の酸素濃度が不足することが考えられます。
そういうことを考えて溶存酸素濃度が不足する可能性がありCO2添加をしていない夜間にはエアレーションをしようという事になるわけです。

非常に理想的な理論で良い所取りのような気がしますが、実はこの維持の仕方には大きな落とし穴が有ります。
それは昼間と夜で溶存二酸化炭素濃度が変化しすぎるためにpHが変動するということです。
特にエアレーションを開始してすぐは急激にCO2濃度は下がります、日中に過添加気味であった水槽などは夜間エアレーションを行うと1.0程度のpH変動は起きるでしょう。
それほど急激にpHが毎晩変動するような水槽は生体にも草にも何らかの影響があると考えられます。

ですから個人的には水草水槽としては、夜間必要な酸素量も日中の光合成でまかなえるような生体と草の量にバランスを取り、昼も夜もエアレーションは必要ないような状態にするのが最も望ましいと思います。
もしCO2添加している人で夜間エアレーションを行っている場合は、夜間エアレーション開始の直前と、翌朝の水槽水のpHを測定し、その差をチェックしてみてください。
1.0かそれ以上の大きな変動をしているような水槽では問題有りですので注意が必要です。

pHコントローラーでCO2の添加量を24時間制御しながら夜間エアレーションするという構成ならまったく問題ないと思います。

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