よしを’S質問箱
分類 @@#器具#@@
Q403.密閉性濾過槽
【Shinoさんからの質問】
はじめまして・・・・
Q&Aコーナーいつも参考にさせて頂いています。
特に器具に関する項目について興味深く有効活用させて頂いています。

さて今回御相談させていただきたい事柄は当方90*45*45cm水槽でこのホームページでは異色の「金魚」を飼育しているます(10cm程度の体長のものを6匹)。
この金魚ですが云わずと知れたようにその体が大きくなることより水槽の水を熱帯魚や水草に比べると非常に良く汚してくれます。
そんなことを踏まえて外部フィルター@エーハイム2228を選択し水槽立ち上げを行い様子を見ているとどうも藻の発生が顕著です。
ためしに亜硝酸濃度を測定すると硝化菌濾過が上手くいってせいか0mg/リットルを推移していますが硝酸塩が20mg/リットル以上は常時ありそうな傾向を示しています。
また硝酸塩の一日あたりの増加量は5mg/リットル程度で大食いの金魚として当然とも考えています。
さてそこで藻の発生を抑え且つ安定した低硝酸塩濃度を維持するためにはどのようにしたら良いか?を考えたところ@高頻度な水替えA嫌気性濾過の2点が浮かんできました。
しかし@の対策は硝酸塩の増加量を考慮すると2回/週の割合で水槽の半分以上の換水を余儀なくされ金銭的には水道代は微々たる物ですが魚にとっては水質変化によるショックが大きいと考えています。
一方、Aの嫌気性濾過の件ですが色々なホームページを参考にさせて頂くとデニボール+デニファを使えばある程度効果を期待できそうな感触!でも金銭的には結構かかりそう・・・・・
ところが「よしを」さんのホームページで「日本ショット社」との会話を読みプレフィルターを持っていれば意外にも簡単に嫌気性濾過は出来そうな感触を持ちました・・・・もちろん確約は出来ませんが・・・・。
そこでますはハード(装置)を組まなくては・・・・と思いメインフィルター意外に外部式の密閉濾過層は無いかと探すとジャレコにPrefilterと称して濾過材容量2リットルの物を見つけました・・・・でも普通の外部フィルターとほとんど同じ値段でとても驚きで半分諦めモードです。

さてそこで嫌気性ろ過を行うのに手軽に利用できるものはないのか?ご存知の範囲でよろしいのでお知恵拝借できませんか?
個人的に考えている範囲ではペットボトル、塩ビ水道管などの利用があると思いますが 容量、密閉性、メンテナンス性を考慮するにどうしても三者両立するものが無いように感じています。
また嫌気性濾過の環境としては下記の考えで良いのでしょうか?
(1)水槽内の有機物がFilter内に流入すればよい@嫌気性バクテリアの餌
   嫌気性細菌の餌となるデニボールは無理に使用しなくとも可能?
(2)Filter内の水量は3リットル/時?@デニボール使用の場合はこの10倍?
   酸欠状態にしたいことより・・・・・

最後に素朴な質問ですが水族館や養魚場はやはり嫌気性濾過を多用しているのですか?

取り留めのない無いようですがご理解の範囲で御回答いただければ幸いです。

以上宜しく御願い申しあげます。

A403.嫌気濾過
今回のケースのように実際に硝酸塩の濃度を測定して高い値を示している場合には、お考えになっているように嫌気性濾過が色々な効果を示す可能性が高いです。

嫌気性濾過の考え方として1の「水槽内の有機物がFilter内に流入すればよい@嫌気性バクテリアの餌、嫌気性細菌の餌となるデニボールは無理に使用しなくとも可能?」の部分ですが、理論的にはその通りですが、BODの値がある程度高い場所にバイパスフィルターを設置しないといけないということも有りますし、嫌気性細菌がデニボールを使用する事で発生しやすくなりますので、デニボール等の嫌気性細菌の餌となるものを使った方が、お手軽で確実だと思います。
(ただし、アクアリウム用品に良くあるようにこれらの商品も原料の数十倍の値段を付けた状態であり、お世辞にも適正な価格であるとは言えませんが・・・)

バイパスフィルター内の水量はデニボールの使用・不使用に関わらず遅い方が良いように思います。

自作する場合ですが、私は水道管用の塩ビパイプの工作で可能なのではないかと思います。
バイパスフィルターはそれほどの容量が必要ではないので、濾材部分は500ccかせいぜい1リッターも有れば良いでしょう。
50mm〜80mm径程度の塩ビ管を10cm程度カットして上下を塞ぎ入水口と排水口をどうにかして付ければ良いと思います。
中には1個のデニボールと触媒になるようシポラックスを詰めておけば良いでしょう。

問題はどのようにしてそれほどまでに遅い水流を流すかですね。
アメリカなどで販売されている嫌気性濾過用器材ではエアホース程度のホースで本水槽から濾過槽へサイフォンの原理を利用してぽたぽた水を落とすような機構のものも有ります。
停電でポンプが止まったときに何処まで水が落ちるか心配ですが、なかなか良く考えられている構造です。

そういった事を考慮しながら色々と工夫してみて下さい。

日本ショット社で聞いた話では水族館では硝酸塩濃度が上昇して問題になるケースも有るようで、ある水族館の実際のデータで濾材を他のものからシポラックスに変更する事で、硝酸塩濃度が下がったというのを見せてもらいました。
実際水族館で硝酸塩濃度が問題になるような場合はそうやって濾材を変更したり、どうにかして嫌気域を作成するなどの対応によって対処しているのではないかと思います。


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