よしを’S質問箱
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Q281.濾過について教えてください
【I.N.さんからの質問】
 こんにちは。
 よしをさんのHPをいつも楽しく読ませて頂いております。
 私は、アクアリウムというものを始めて、1年半程度の者ですが、最近気になることがあり、ご意見を頂けたら幸いです。
 私の現時点での水槽は、テトラ類の小型熱帯魚を20匹程度、ヤマト沼えび10匹程度、水草数種類、を60センチの規格水槽にエーハイム2213と二酸化炭素強制添加、照明は20ワット3灯という具合で維持しております。
 フィルターの掃除については、外部フィルターの給水口にスポンジフィルターを取り付けて、大きなごみが直接外部フィルターに吸い込まれないようにしているため、外部フィルターの濾材は半年に1回ぐらいしかメンテナンスをしておりません。
 先日、近くのショップへ出向いた時に、その店の方から濾材に付いたバクテリアは半年から1年以上経過すると水質をかなり酸性に傾けるために、半分ぐらいを濾材を半分ぐらい取り出してそのバクテリアを殺さないといけないとの説明を受けました。
 そこで、アクアリウム関連のホームページをあれこれ散策したところ、同様の説明をされている方もいらっしゃいました。
 つまるところ、私はこの話は本当なのか、それとも事実でないのか、事実であっても気にするほどのレベルではないのかということを知りたいのです。
 特に急いでいるわけではございませんが、よろしくお願いいたします。

A281.濾過の熟成と酸性化
酸性化要因その1
通常の濾過(硝化)が進むと水のpH値は徐々に酸性になります。
これはいかなる水槽でも(濾材が新しくても古くても)濾過が機能していれば必ず起こる事です。
通常はこの酸性化が顕著になる前に換水を行いpHがあまり変動しすぎないようにします。

酸性化要因その2
酸性化要因その1と関連しているのかどうかは不明ですが10年以上使い込んだ底床などは何故か水質を酸性に傾ける場合が多いようです。
これは綺麗に洗って再セットしても現象が起きることから汚れの蓄積などが原因といった単純な物でも無さそうです。
10年以上使い込んだ濾材なども同じ事が言えます。
水草水槽などでは水質が弱酸性に安定するというのは非常にありがたいことなので、底床や濾材を使い込むことによりそういった傾向が出てきた濾材や底床は非常に貴重な物と言われることも多いです。

バクテリアのサイクル
濾過装置の濾材に発生するバクテリアについてですが、確かにセットしてから掃除を行うまでに変化が有るようです。
セット後1ヶ月程度で濾過が機能しだし、その後2ヶ月程度が濾過能力のピークである。
そのために1つの水槽に6個の濾過装置をセットし半月に1個づつ順次掃除していくという方法を推奨されている有名な水草アクアリストも居るようです。

以上が今回ご質問された内容に類似した私の知っている事実ですが、残念ながら今回質問されているような”濾材に付いたバクテリアは半年から1年以上経過すると水質をかなり酸性に傾けるために、半分ぐらいを濾材を半分ぐらい取り出してそのバクテリアを殺さないといけない”というのは聞いたことがありません。

これを、”通常の濾過装置はセット後1年ぐらい経過すると汚れが溜まりすぎるので濾材の半分を取りだして洗浄しなければなりません”と解釈すれば一般的な定説どおりです。

ショップの水槽のような過密状態の飼育では硝化によって常に水質は酸性化しているでしょう。
そういった環境ではパワーフィルターも半年程度掃除しなければ汚れが溜まりすぎて調子が悪くなります。
濾過装置に汚れが溜まり調子が悪くなったのをきっかけに水質をチェックしてみたらかなり酸性だった。
そういった事をとらえて今回言われたような解釈をされたのではないかと思います。

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