よしを’S質問箱
分類 @@#アクア一般#@@
Q104.掃除しないんですか?
【がじらの妻さんからの質問】
パソ通も、水槽も、たちあがり3週間の超ビギナーです。
よしをさんのHPはとっても勉強になっています。が、ビギナーの性で、他の会議室も読ませていただき、とっても気になることを見つけました。
その手の本や、よしをさんの話では、1週間に一度の水換えを、1/3ほどずつやって。
と書いてあるのに、その会議室では’そんなに換えちゃいけない、バクテリアが増えないじゃないか’って書いてあったんです。
素人考えでは、バクテリアがいない初期こそ水換えをしないとだめなんじゃないかって思うのですが。どなたも反論されておらず、質問したその方も納得されてしまって、本当にそれでいいの?と思ってしまいました。
我が家の水槽は、流木も入っており、とても水換え無しではいられない、といった感じです。
(少し水が茶色いんです。)底砂も、掃除すると結構汚れが出ます。

60cm水槽に、マスターサンド10kg、水草は、カボンバ10本、サジタリア5本、アマゾンソード3本、バコパ10本、アコラス5本、リシア10*20、ロベリア1本、カージナルテトラが10匹住んでいます。pHは、6.5、亜硝酸は0.1mg以下です。
(アンモニアは発生しているのか??)
プライムパワー10でまわしてます。

このまま換水(底砂掃除)していいのか、どれぐらい経ったら、どれぐらいの間隔で換水するのか、ぜひ教えて下さい。

A104.バクテリアが増えるとき
その会議室の話というのが断片的にしか分かっていないので、本当のところどういった話の流れでそういう話になったのかが分からないので、その会議室での話が合っているのか間違っているのかは今は話題に出来ません。

ただ言えることはバクテリアの事を良く理解して状況を判断すれば正しい答えが見つかると言えるでしょう。
何度も出てきていますが技術集の「よしを’s濾過話」なんかを参考にして濾過バクテリアの事を理解して下さい。

まずバクテリアが増えるとき(又は増やさなければならないとき)というのは、逆に言えば濾過バクテリアが完全に繁殖していない時期ということになるはずです。
濾過バクテリアが十分に繁殖していないときというのは濾過が満足に出来ない時ですから、その様な時期に水槽の中に生き物が入っているなら、水換えの基準はアンモニアや亜硝酸の濃度が危険レベルに達しないようにする事となります。

60cm水槽の立ち上げ時にパイロットフィッシュとして小型の魚を10匹程度飼育している状態を例に考えると濾過が出来上がるまでは少なくとも3〜5日程度でアンモニアや亜硝酸が危険レベルに達するでしょう。
もしその状態で水槽の中の魚を濾過の出来た別な水槽などに移動できるなら確かにそのまま換水せずバクテリアの繁殖を待つことが出来ますが、魚を待避出来ないのが普通ですから、通常ならアンモニアや亜硝酸濃度が危険値に達する前すなわち2〜4日程度で換水をする必要が出てきます。
この状態にあって換水をしないというのは魚を殺すことになります。

逆に120cm水槽にパイロットフィッシュとしてネオンテトラ3匹だけを飼育したとすると、濾過が出来上がるまでにアンモニアや亜硝酸濃度が危険なレベルまで上がらない事があるかもしれないですね。
そういった環境では3日おきや週1回というお決まりの換水は無意味です。

あくまでも濾過が出来上がるまでの水槽ではアンモニアと亜硝酸の濃度が換水頻度の鍵を握ると覚えて下さい。

次に濾過が完全に完成した状況を考えると、濾過バクテリアのほとんどは濾過装置の濾材と底床の中に存在しますので、温度あわせと塩素中和がされた水で換水するなら、バクテリアのことを気にするほどの影響はほとんど無いはずです。

もし冷たい水をそのまま水槽に入れたり、塩素中和しない水道水をそのまま水槽に入れたりする換水のやり方では換水することがバクテリアにダメージを与えることに繋がりますが、そういった換水方法はそれ自体に問題があるので、換水の方法を改善するのが先だと思います。

濾過がちゃんと出来ていて換水の手順にも問題が無い環境では換水の頻度は水の汚れに従って実施されるので、決まった頻度が無いというのが正しい考え方です。
換水頻度が毎日の場合もあれば1週間の場合もあれば1ヶ月の場合もあるというように、環境毎に違ってきて当然なのです。

高蛋白な餌を大量に与えるディスカス飼育の場合などは濾過が出来ていても水の汚れのために毎日換水するような環境も少なくないようです、対してベアタンクの魚水槽であれば水槽や水槽内の器具に苔が付いても定期的に掃除して苔を落とせば良いので魚が健康に飼育できるなら1ヶ月でも換水しないという事も多いようです。

水草水槽を対象に考えると、水槽の中には水草が存在し、水草の葉に苔が付くこと=水草が駄目になることですから、それは魚水槽での魚が死亡することと同等の意味になります。
従って魚メインの水槽ではあまり問題にならないようなレベルの苔も水草水槽では致命的な問題となるため、水草水槽ではかなり頻繁な水換えをすることが多いです。

水草水槽では肥料分を添加している事もあり、多くの環境で2週間以上の長い間隔の換水頻度では苔が発生する事が多いので、経験則から水草水槽では1回/週程度の換水頻度が普通と言われているのだと思います。

唯一過度の換水に注意しなければならないケースは、底床又は濾材を含む濾過装置の掃除をしたときです。
それらの行為によってバクテリアにダメージが有った場合、水が濁ったり白濁したりする場合がありますが、そういった場合も慌てて換水するとさらにバクテリアにダメージを与える場合がある(多くの場合水が濁っているだけでアンモニアや亜硝酸といった有害物質の分解はきちんと行われている場合が多い)ので、その時は濾過がちゃんと出来ていない時の考え方に戻って、アンモニアや亜硝酸濃度が危険レベルの場合は換水、それ以外は換水しないという維持の仕方を行います。

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