よしを’S質問箱
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Q48.蛍光燈について
【亀山さんからの質問】
水草水槽の蛍光燈に関して,以前は熱帯魚店の奨めるまま結構高価な蛍光燈を使用していましたが,昨年頃からナショナルの”パルック”(一本600円くらい)に換えてみたところ別段の変化も無く安上がりで良いと思っていました。
ところが,1ヶ月前に,”パルックday”というのに交換したところ,急にコケが多くなりだし,水草の成長も止まったように感じられます。交換したパルックは約4ヶ月しか使用していませんでした。

蛍光燈を交換した事と,コケや成長の停止に因果関係があるかどうかは分かりません。元の蛍光燈に戻してみればある程度はハッキリすると思うのですが,今回のこの一例に限らず,蛍光燈には一般的に何らかの選択基準があるのでしょうか?

"専用"で熱帯魚店で販売されているものはもちろん良いのでしょうがあまりにも高価です。普通の家庭で使うようなヤツで(年末の大掃除の時期によく特売になるような)水槽でも使用可能なものの情報など無いでしょうか?

値段さえ安ければ,6ヶ月などとケチな事は言わずに2ヶ月くらいで一回は取り替えても良いと思っています。

A48.蛍光灯で色々変わる
蛍光灯を交換して苔が出るように成ったとのことですが、因果関係はかなり有ると思います。
そもそも、蛍光灯が違えば色温度をはじめとする光のエネルギーや成分などが大きく変わります。
アクアリウムの蛍光灯で最もポピュラーな蛍光管と言えばPG−2とPG−3でしょうが、PG−2は水草育成用、PG−3は水草観賞用とされていますね。
その2つの蛍光灯の光を目で見ただけで大きな違いに気付くはずです。
水草育成用とされるPG−2は何となく青暗い感じ、PG−3は明るめでどちらかと言えば黄色に近いような色です。
植物の葉っぱはほとんどの物が緑色をしていますが、実際には緑の色を発している訳ではなく受けた光の中で緑の成分を多く反射しているために、緑色に見えるのです。
反射しているということは植物の葉はその光を必要としないという事になります。
要するに緑の葉の植物に緑の成分が強い光を当てると当然緑の葉が綺麗に見える一方、葉にとっては不要な成分が多くなると言うことになります。
逆に葉がよく吸収する成分の光を当てると光合成活動には有利になりますが、見た目に綺麗に見えないと言う事になるのです。

そこからも分かるように一般家電用の蛍光灯だろうと、アクアリウム用の蛍光灯だろうとどのメーカーの何という銘柄を使うかによって草の生長の仕方や見え方、色の付き方が大きく変わってくるのです。
各蛍光灯のスペクトラムなどはYUKIさんのホームページで見ることが出来ます。

ということで、亀山さんの環境で蛍光灯を変えたら急に苔が出たというのは、水の栄養分、水草、光のバランスが変わったために起きた事ではないかと思います。
お使いになっているパルックやパルックdayなどは高演色管と呼ばれる色の再現性が良いタイプの蛍光管でアクアリウムでも良く使われている物です。
今回はバランスが変わって苔が出たようですが一般電化製品用の蛍光管でも高演色管であれば、アクアリウム用に十分使用できます。
色温度やスペクトラムによって草の生長や苔の出ぐあいが微妙に違ってくるでしょうが、一概にこのメーカーのこれが良いよとは言えないところは、アクア用の蛍光管でも家電用の蛍光管でも同じように言えることです。

あと、家電用ではありませんが各社家電メーカーからは専門的に製造している蛍光管が色々と有ってその中でも「食肉展示用」とか「葉タバコ選別用」といった蛍光管が出ており、アクアリウム用にもかなり向いているという話を良く聞きます。

蛍光管は比較的簡単に(中に充填するガスの成分を変えれば)性格の違った管が出来上がるので、一般的にも色々な種類の物が販売されており、こだわりアクアリストの格好のこだわりネタとして昔から色々な試みがされています。

家電屋さんに頼めばきちんとしたカタログも手に入りますし、手に入れる気になれば地方でも家電屋さんに頼んで取り寄せることが可能でしょうから、アクアリウム用にこだわることなく色々と研究してみて自分の気に入った蛍光管を探すというのも良いでしょう。

それから蛍光灯の交換の件ですが、随分昔のアクアリウムの手引き書では半年で交換する事が定石とされていましたが、現在では誤解であるとされております。

確かに時間が経った蛍光管は明るさが落ちてきますが、通常の管であれば切れる寸前でも標準の80%の発光をしているそうです。
それからもう一つ、蛍光灯は使い初めの数時間は110%とか120%で発光するように作られているそうです。
要するに、蛍光管を交換して点灯したら目にもまぶしいような光を放て「や〜、交換したら明るくなったねぇ!」という印象を持ってもらうためだそうです。
(もちろん管を交換する際には傘を掃除したりする事も多いでしょうから、なおさら明るく見えるのでしょう。)

と言うように、家電各社は大晦日のコマーシャルを初めとして管の寿命の前に管を交換するように呼びかけ、また交換すれば効果があったような気持ちになるよう日夜研究しているらしいです。
まあ、80%が暗いかどうかは感覚の問題なので切れるまで使うかどうかは別として半年という短いサイクルで蛍光灯を交換する必要は無いというのが現在のアクアリウムの常識と成りつつある・・・と思います。(いまだに半年で交換しろとかいている入門書は多いですが・・)

それよりも毎週ガラス蓋を水拭きした後に乾拭きするなど、光の透過性を落とさないようなメンテナンスをすれば10%や20%の明るさは簡単に取り戻せると思います。

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