日本固有のフサタヌキモの自生地は、従来岩手県の一戸のみとされていたようですが、以下に紹介するのは、96年9月に秋田県で新たに見つかった「フサタヌキモ」です。発見者は秋田在住の知人・佐々木喜久氏です。 このフサタヌキモは大変興味深い特徴を持っています。草体はかなり大きく大型のタヌキモと同じ程度あります。大きな特徴は他のタヌキモ類と比べて草体が非常にしなやかで、かつ、葉を指で触っても感触がないくらいの柔らかさです。草体自体が柔らかなため、(穂先の重さのせいだと思いますが)穂先がすべて水底を向いていて、お辞儀をしたような格好で水中を浮遊しています。 フサタヌキモの特徴として、閉鎖花と捕虫嚢が極めて少ないこ_とがあげられますが、これにもう一つ、ほかのタヌキモと比べて極めて柔軟である、ということがいえるようです。 捕虫嚢のつき方は、同地域(秋田県)で採取されたタヌキモと比較しても圧倒的に少なく、葉の付け根付近に若干(2−4個)見られる程度ですが、これも必ずあるということではなく無い方が多いようです。ただし、数少ない捕虫嚢ですが捕虫嚢自体は決して貧弱ではなく、むしろ一つ一つは大きくしっかりしています。またフサタヌキモの特徴である閉鎖花は明確に見ることができました。 |