よしを’S質問箱(Deep編)
分類 @@#熱帯魚飼育#@@
Q1026.ランプアイ特有?の病気について教えて下さい
【朕さんからの質問】
以前からアフリカンランプアイが好きで,度々飼育にチャレンジしていますが,その度に全滅しています。既に立ち上げてから2年近く経つ陰性水草水槽(一応…)で,オトシンクルスを収容していますが特に頓死したりすることはありません。
症状は大体下のとおりです。
・ショップの水槽ににいたときは死んだ個体も見当たらず,健康そうに見えた。
・健康体は透明でやや黄色がかっているが,白っぽくなる
・尾鰭を閉じ気味にして泳ぐ
・ヘビのように身体をくねらせたり,流れに逆らって泳ぐ
・上記のような症状が,購入後1〜7日以内に起こり,毎日,1〜2匹ずつ落ちていく(一度に大量には死なない)。

ちなみにショップを変えてみましたが,どこで買っても結果は同じでした。20匹程度を一度に購入して,袋に入れて水合わせの後,放していますので,大体20日目位には全滅してしまいます。

他の熱帯魚でこうした全滅の仕方をする魚を知らないので,どうしたものか弱っています。
ところが,どのサイトや情報誌でも,ランプアイは飼育が容易でカラシン感覚で飼える等としか書かれていないので,余計混乱します。ショップの人に尋ねても,仕入れてから悪いときには半分程度死ぬことがあるが,その後は丈夫だと言います。

カラムナリスかなとも思いましたが,魚体が小さいので判別しにくいのと,どこのショップで買ってきても同じ結果になるので,他の病気を疑っている次第です。
ランプアイには,グッピーエイズのような特有の病気でもあるのでしょうか?あるいは,巷の情報と違い,ランプアイは体質的に極めてデリケートな魚なのでしょうか?

また,過去に同様の経験をお持ちでしたら,どのように克服されたか教えて下さい。

水槽条件:
60センチ水槽(立ち上げ後2年程度経過),15ワット×3灯,CO2小型高圧でごく微量添加,クリプトコリネ・レトロスピラリス,ウィロモス,ナナ,ミクロソリウム・ナロー等を植栽(セラミック底床),外部式フィルター(エーハイム2211),同居魚オトシンクルスのみ,PH6,水温27度

*症状が出てからマラカイトグリーンを入れてみたが,効果なし。

A1026.ランプアイは容易か?
ランプアイは確かにその様なケースもまれに有るようです。
また、初期にすぐ死ななくても、長期間郡泳させたり繁殖して増えるまでには到らず、結構苦労するケースも少なくないと私は思います。

理由はよく分かりませんが、比較的人気が高い魚種なのでショップでは右から左に売りさばかれて行く部類であり、導入初期に死んでしまう確立も高いように思います。
また、最近の養殖で丈夫になったネオンテトラなんかに比べればずっと、輸送や環境変化に対する耐性や、病気に対して弱いように思います。

また、よく管理された水草水槽の様に低硬度でCO2添加を行い弱酸性に保たれているような水質は苦手だそうです。
(現在の環境では硬度は不明ですがpHがかなり低いのが気になります。)

こなれた水を好むので換水が頻繁な場合は2日ほど汲み置きエアレーションした水を使うなど、換水する水にも気を使ったほうが良いです。
水道水を直接水槽に入れてコントラコロラインをぶち込むような換水の仕方をするなら、長期間換水せずほったらかしの水槽のほうが、ランプアイにとっては水質が良いようです。

ですので、上部濾過であまり換水せずほったらかしの水槽などでよく繁殖する為、飼育が容易であるというような印象をもたれる場合が多い様ですが、水草水槽で繁殖させて長期維持するのは、なかなか難しいように思います。

まずはその辺に注意してランプアイを入れる前に水槽の水質を調節してみる事をお勧めします。
また、換水の水にはこれまで以上に注意してみてください。
(だからと言って水質調整材をいろいろ入れてみるということではなく)

CO2添加を止めて換水頻度を調整する、珊瑚砂をネットに入れて汲み置き水に入れておく等すればランプアイの好む水質に調整できると思います。

最近廉価に販売されているランプアイは養殖だと思いますのでショップの水槽の水質(pHと硬度)や輸送されてくる時の袋の水質をショップに聞いて、それに近くしてやれば最も望ましいと思います。
  • 2003/12/26 朕さん(質問者ご本人)よりご意見情報投稿

    先日は、ランプアイの質問に対する回答を頂き、ありがとうございました。
    考えてみれば、換水のときは中和しただけの水を使っており、水質には無頓着なところがあった(毎日落ちていくことにばかり気をとられていた)と反省しています。
    今後は、そうした点に考慮して再チャレンジしたいと思っています。

    ところで、そのような飼育者の技術的な問題もありますが、そうした点を考慮しても、一般的に飼育が易しいとされる東南アジアブリードのポピュラー種の中に長期飼育がけっこう難しいものがいるのは否めないと思います。
    (輸入グッピー、トランスルーセントグラスキャット、ドワーフグラミーなど。極端な話、全換水であれば別ですが、水道水をそのまま部分換水で使ったとしても健康な個体ならすぐ死ぬことはないと思います。ですが、これらの魚は換水にも神経を使うものが多いです。)

    そこで、回答を頂いた後も自分なりにネットで魚の病気について調べたところ、いくつかの興味ある情報が得られたので紹介したいのと同時に(もし御存知でしたらすみません)、アクアテロリストではないですが、アクアグッズだけでなく、生体の流通や販売・エンドユーザーに対する情報提供の点などで、まだまだこの世界には改善の余地があるのではないかと思い、追加で書かせていただきました。

    まずランプアイの病気についてですが、やはりウイルス性の疾病が存在するようです。
    イリドウイルスというウイルスの感染症で、症状は食欲不振、遊泳不良、脾臓や肝臓の異常などで、グチ科の魚で感染実験を行ったところ6日目で発症し11日目に死亡魚が出始め、15日経過時点での死亡率は80%にまで及んだそうです。
    また、このウイルスは既知のものとは異なる新属のウイルスらしいとのことです。(参考

    ここからが本題です。
    これは私の個人的な推測になりますが、ランプアイがすぐ死ぬというのは、次のようなことが考えられないでしょうか?

    ・ランプアイが東南アジアで養殖されている。
    ・その中にイリドウイルスのキャリアが存在する。
    ・人気品種は回転が速いために、ウイルスの潜伏期間中にユーザーの手にわたってしまい、最終的にユーザーの水槽で発病する。
    ・発病した個体は10日前後で死ぬ。また生き残った個体も体力が落ちた順から細菌性の疾病に複合感染する。そのため、ユーザーはPHショックやカラムナリスやエロモナスなどで死んだと思いこむ。

    細菌性の疾病はともかく、ウイルス性の疾病に関しては市販の魚病薬は殆ど無力ですから、ユーザーの水槽で発病した場合は手の打ちようがありません。
    これは日常管理とは次元の違う話で、いくら神経を使って世話をしようが、○○○溶液を入れようが、買ってきた魚がウイルスのキャリアであれば、発病したら高い確率で死にます。初心者の水槽でそのような病気が発生して全滅すれば、この趣味自体から手を引いてしまい、結果的にマーケットは縮小の方向に向かうかもしれません。

    こうした病気について、流通・小売側はどの程度情報をもっているのでしょう?
    生体を販売する業者にとって、死着やストック中の死亡が増えるのは利益に直結する問題ですから、やはりいくらかの情報は持っているのではないかと思います。
    もしそうなら、販売側はエンドユーザーにも情報を提供すべきではないかと思うのです。

    よしをさんもHP上で書かれているように、アクアリウムグッズの中には原材料や効能についての正確な情報を公開していないものが多く、それが消費者を混乱させる要因になっています。
    生体についても同じようなことが言えるのではないかと思います。

    これからは、眉唾物のアクアグッズを消費者の目で厳しく判断するだけでなく、生体についても、
    1. ワイルド個体かブリード個体か?
    2. ブリード個体の場合は、国内養殖物か海外養殖物か?
    3. 海外養殖物の場合は、養殖産地、
    4. 現在、流行している疾病とその対策について
    の4つの情報をショップにしつこく聞くこと、またショップ側はそれらの情報を積極的に提供していくことが必要なのではないかと思います。
    (信用のおけるショップを見つけた方が早いと言われればそれまでかも知れませんが…)

  • 通りすがりの・・・ さんよりご意見情報投稿
    グッピーと一緒にアフリカンランプアイを飼育している者です。
    記事を読ませて頂きましたが大変参考になりました。
    投稿が遅すぎるかもしれませんが、私のアイデアを投稿させていただきます。

    病気、水質などいろいろな原因が考えられますが、水温はどうなのでしょうか?
    私の水槽では運良く?長生きしてくれていますが、水質は特にこだわっていません。
    (1週間に1度半分の水替えで、適当に温度調節した水道水にカルキ抜きをいれています。)
    水草の適応温度を調べたら意外と低めの温度が良いようでしたので、水温は25度にしています。
    記事を見ると27度とあったので少し下げ気味にしてみてはどうでしょうか?

    うまく飼育できるといいですね。

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