よしを’S質問箱(Deep編)
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Q1021.水草のPH上昇による害
【Datt-Dさんからの質問】
こんばんは

一年前から水草育成をしております。
最近、疑問に思う事がありまして、書き込みさせていただきます。
PH6以下、低硬度、と言う条件の水草を育成しておりソイル使用と、CO2添加によりこの条件は簡単にクリアされています。
最近PHメーターなるものを購入し、夜間エアレーション中に測定したところ6.9から7.1ぐらいまであがってました。
エアレーションをし、CO2を逃がすとPHは上昇するとわかっていたのですが、ふと疑問がわいてきました。
CO2添加時間は8時間半、残りの時間はエアレーションをかけています。
最適育成条件ではPH6以下なので、大半が7前後になり条件からはずれているのでは?と思ったのです。もちろん多少は条件から外れても、なじんでしまえば大丈夫なんですが、このような毎日のPH変動がないほうが、良い条件なんでしょうか?
よくある育成条件でPH6.0というのは、CO2添加時のことなのでしょうか?

水温上昇を押えるために、強めのエアレーションに変えました。
このためか、最近、水草の調子が良くないような気がします。
もちろん、この時期、水温上昇の弊害もあるとは思いますが・・

よろしければ、ぜひ、ご教授下さい
A1201.夜間エアレーションとCO2
まず初めにかなりpHに注目されているようですが、pHはかなりいい加減な目安でしかないという事をよく理解されたほうが良いかもしれません。
まあ、水草や熱帯魚の飼育本やインターネットのサイトで種類別に解説されているものを見ても、どれをみても適正pHというのが書かれているた意識するなという方が難しいとは思います。

確かにpHの適正範囲というのは水草の育成とは関係無い訳では有りませんが、水温の適正範囲ほど直接的な影響は無いんじゃないかと私は思います。

なぜならpHというのは所詮水槽内の色々なものの量により総合的に決まる値であり、水温のように水の持っている熱エネルギーという唯一の原因によって変動するものではないからです。

もしAさんの家の水槽水がpH6.5であり、私の家の水槽水もpH6.5であったとします。
しかしAさんの家の水槽水とうちの家の水槽水はまったく同じであるということはありえません。

例えばAさんの家の水槽水はとても見た目に綺麗な水であるのに対して私の家の水槽水は5cm先が見えないほど緑色に汚れた水かもしれません。
しかしそれでもpHを測定すると両方とも6.5で同じである事だってまったく有り得る事です。
その様なそれぞれの水槽に、ある同じ水草を植えてpHが同じだから同じ様に育つかといえば、絶対にそういう事はありません。
もっと言うと当然見た目が綺麗に見えるAさんのpH6.5の水槽のほうが植えた水草は良く育つように思われがちですが、人間の予想に反して5cm先も見えないぐらい緑色に成っている私のpH6.5の水槽のほうが同じ草を植えても良く育つという場合も往々にして有ります。

まずは、その様に水草という物はpHなどという曖昧な指標の一つぐらいでは予想通りに成りませんし、そもそも人間がちょっとした要素で判断できるほど単純で分かり易いものではないという事をよく理解した上で、pHを初めとする各種水質チェック項目をチェックされる事をお勧めします。

その辺の事を纏めたのがアクアテロリストのコラム「水質チェック」ですので、その辺も読んでみて下さい。

さて本題の夜間エアレーションするとpHが上昇するという事に付いてです。

まずはCO2の添加量についてもう一度考え直してみてください。

色々な説やスタイルがありますのでどれが正解という事は有りませんが、CO2添加とpH変動に付いては
1.夜間は水草も呼吸する為水槽内の溶存二酸化炭素濃度は上昇する
2.朝、蛍光灯が点灯すると水草は水槽内の二酸化炭素を吸収して光合成を開始する為、溶存二酸化炭素濃度は減少する。
3.CO2は光合成によって吸収された二酸化炭素が不足しないよう水草が吸収する分だけ添加する。
4.夕方になって蛍光灯の消灯と共にCO2添加を停止するが、その時点から水草の呼吸による二酸化炭素の排出が始まるので、消灯から翌朝に掛けて溶存二酸化炭素濃度は徐々に上昇する。
という理論に基づき、「午前中の蛍光灯点灯前が一番pHが低く、蛍光灯が点灯して水草が盛んに光合成する時間帯はpHが上昇し、消灯と共にまたpHは下降する」というpH変動をするという説もあり、当然本当にその様にpH変動する水槽は存在します。

上記例はCO2添加している一般的な水槽とはたぶんまったく逆のpH変動だろうと思いますが、これは水草の量や水草が消費する二酸化炭素量と添加する二酸化炭素量の関係によって実現可能な状態です。

要するにCO2添加時にpHが下降するのは、即ち水草が必要としている以上にCO2を添加しているという考え方もできるということです。
1日3膳しかご飯を食べない人の為に、毎日5合の米を炊いて毎日毎日あまったご飯を捨てているという事を想像すればイメージし易いかと思います。

実際には私は水草が消費する分を補うだけの添加量よりも、それを少し上回るぐらいの添加量のほうが色々な水草を育成し易いと思いますが、まずは今回の事をきっかけに自分のスタイルとしてどのぐらいのCO2添加を適正とするかを見直してみてください。

さらに、夜間エアレーションについても実施するメリットとデメリットがあります。
これについては「アクアリスト千の悩み」のほうで何度も話題になっておりますので、CO2の適正添加量と共に自分のスタイルとして実施するかしないかを判断してみてください。

最後にpH変動することの是非についてですが、当然短時間で大きなpH変動を起こすと、いろいろな所によくない事が起こります。
短時間の大幅なpH変動はしないに越したことはありませんので上記のCO2添加量と夜間エアレーションの実施判断を行う際には、ひとつの考慮ポイントとして考えられることをお勧めします。
  • 2004/01/11 ponpokoさんよりご意見情報投稿

    A1021.の真ん中くらいの一文に「1.夜間は水草も呼吸する為水槽内の溶存二酸化炭素濃度は上昇する」とありますが、この表現は間違いなのではありませんか?他の質問での回答においても、よしをさんは、水草は昼(光がある時)は光合成をして、夜(光がない時)は呼吸する、と理解しているように見受けられます。
    正確には、光合成に関しては、光がある時(もちろんCO2と栄養素も)だけ行い、光がない時は行わない。呼吸に関しては、光のあるなしに関わらず、常に行われています。
    昼間は光合成と呼吸を同時に行っており、光合成による酸素放出が呼吸による酸素消費より多いので、みかけ上、呼吸を行っていないように見えます。
    夜は光はないので呼吸だけ行っています。

    イチャモンつけてるようで申し訳ないですが、Q&Aを読んでる時に呼吸に関する記述がどうもひっかかったので。

    よしをより「仰る通りです」

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