解説
サーモと略して呼ばれることもある。
水槽の温度を測定しながら保温装置であるヒーターの通電をオン/オフする事で水槽の温度を一定に保つ。
サーモスタット機能を内蔵したヒーターで無い場合は、必ずヒーターとセットで使用する事。
構造によって次の2つに分類される。
[バイメタル式]
熱膨張率の違う二つの金属の板を張り合わせたものをガラス管の中にセットし膨張率の違いによって温度(水温)が上がると曲がり下がると元に戻ると言う性質を利用して接点がついたり離れたりすることで通電の切り替えを行うもの。
やや太くなるガラス管を水槽内にぶらさげたりキスゴムでとめたりして使用するので美観上問題があることと、接点が焼き付きやすいことなどから、後述する[電子式]が主流となりつつある
[電子式]
水温感知部を水槽内にセットしICを組み込んだセンサーの働きによりスイッチの切り替えを行う。
水槽内には小さなセンサー部を入れるだけでよく 水温設定もダイアル式 デジタル式と簡単に調節が出来、誤差も少ない最近では水位センサーや温度アラーム 空焚き防止機能のついた複合的な商品も出回ってきているが 価格はやや高めのようだ
ヒーター、サーモスタットの取り扱いと設置には十分注意しなければならない。
水槽が割れたりパワーフィルターのパイプが外れるなどの事故により水槽の水が無くなるようなケースでなくても以外とヒーター事故は多い。
最も多いのはサーモスタットのセンサー部分が水面より上になってしまい、温度測定がされずにヒーターへの通電がされっぱなしになるという事故だ。
夏場に水の蒸発が原因でセンサーが空気中に出てしまい、その結果ヒーターが入りっぱなしになり、水槽の水が煮えて全てが蒸発し火災を起こすというケースも有る。
サーモのセンサー部はメンテナンスで手を入れたり、草を抜いたりしたときに誤って水槽から外れたりしないような場所にしっかりと設置するべきです。
この様な熱帯魚のヒーターの事故は阪神大震災直後に問題になりましたが、そのような地震が原因でない熱帯魚ヒーターからの火災は年間10件以上発生しているのが現状です。
最近では通電したままでも火災が起きにくいヒーターやセンサー部が水に浸かっていなければ通電しないタイプのサーモ等安全面を機能強化した製品が販売されているのでなるべくならそういった物を使った方が良いでしょう。
また、故障対策としてヒーターとサーモスタットを2系統セットするという話を聞いたことがありますが、よほど上手く考えられていない限り、故障に気が付くのは2系統とも壊れた時だと言うことを十分理解しておかなければならない。
また、故障のパターンとしては通電しなくなる場合と通電したままになってしまう場合があるので、万全を期すならその両方をケアしなければならない。
最近では設定温度範囲を外れるとブザーが鳴るような商品も有るようだが、センサーの故障によって正しく動作出来なくなった故障の場合は、その警報も正しく動作するかどうか疑わしい。
最近のICサーモの故障ではサージによる電圧(電流)の変化により、内部のIC回路が壊れるケースが多いようです、電子機器に詳しい人が分解して調べたところ一般的なアクアリウム用のサーモスタとにはちゃんとしたサージ防止回路が組み込まれている物は少ないそうです。
冷蔵庫、洗濯機などの近くのコンセントから電源を取らないように気をつけたり、オーディオ用のサージ防止機能の付いたテーブルタップを使用するなどすれば良いとのこと。
解説者:いさぱっぱ、よしを