「休眠」
読み:”きゅうみん”

解説

卵の場合
熱帯魚の世界で「メダカ」と言いますと、グッピーに代表される「卵胎生メダカ」とアフリカン・ランプアイに代表される「卵生メダカ(卵目)」に大別されます。卵目が棲息する地域では、「乾季」と「雨季」がありまして、一年中豊富な水量が望めるような場所ではありません。このため彼らの中には、乾季の直前に産み落とした卵を「休眠」という状態で生命維持する手だてを持った種類がいます。

卵生メダカは種類によって必ず1度乾燥させ休眠した後でないと孵化しない物もあるようです。
また休眠した卵生メダカの卵は数年〜数十年、場合によっては数百年を経ても水分を与えると孵化するそうです。
もしかしたら恐竜映画よろしく、砂漠で発見された数千年前の卵生メダカの卵が孵化するって事もあるかも(もしかしたら良くある事かな?)

必ず1度乾燥させ休眠した後でないと孵化しない物の中にはエビも含まれます。
ブラインシュリンプ(豊年エビ)の卵もこのパターン。
最近少年雑誌で通販しているのを見ましたが、トリオプス(カブトエビ)もこの系列。

オーストラリアの例のレッドロック、山頂のくぼみには雨期だけ水たまりが出来るそうでそこにはこのトリオプスが生息しているそうです。
生命の生きる知恵を感じますね。

トリオプスは教科書の三葉虫のような形で実際の姿はちょっとSF生物的です。
寿命が1〜2ヶ月なのでちょっと飼育するにはわびしいです。

カブトエビ・豊年エビとも日本に野生で水田に生息しています。
ただし農薬使わないきれいなところ。
肺魚の場合
肺魚(主にプロトプテルス類)にも、乾季を乗り切るための「休眠」がありますが、卵目と違って「生体のまま」休眠を行います。乾燥直前の泥を粘膜のようなもので固めた繭状の「寝袋」を作り、その中で呼吸をしながら湿度を保ち、ひたすら雨季を待ちます。
水草の場合
レースプラントに見られるような季節によって成長を止めてしまう。
水槽ではなるべく同じ環境を維持することで休眠させずに居られるが夏場に高温にさらしたりすると秋を過ぎて休眠することも有る。
冷蔵庫などで冬を体験させ水槽に戻すと新芽が展開する場合もある。

解説者:AKIBA(秋葉 義夫)、iseki(井関)、よしを

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