このページはよしをのホームページのコンテンツの一部である「アクアテロリスト」コーナーの一ページです。 初めてこのコーナーに来られた方はこのコーナーの開設目的等をお知らせしているここをご覧になってから本文を見るようにしてください。 |
まず初めに皆様にお知らせすることがあります。
それは今回のこのページが「アクアリウム課外授業」のコーナーの最後のページとなるという事です。
このページを今ご覧になっている方の多くは(「初めから順番に読んでね」と書いてあるのでたぶん)この「アクアリウム課外授業」を初めから最後まで読んで頂けたのだと理解しております。
画像もほとんど無く文字ばかり、その上文章自体も素人が書いたお世辞にも良く書けているとは言えないページを最後まで暖かい気持ちで読んで頂けたことをありがたく思います。
今回のこのページが最後ではありますがアクアテロリストの他のコンテンツはまだページ追加を続けていきますので今後ともお立ち寄り下さい。
ひょんなきっかけから始めたアクアテロリストのコーナーですが、Q&Aのコーナーについで私のホームページで2番目に来訪者の多いページとなりました。
もちろん集中的に更新している事も起因しているでしょうが、それでも多くの方が見たい事知りたい事を提供できた結果ではないかと自負しております。
また多くの方から励ましのメールや「(良い意味での)驚いた」といった反応を頂いたことも、多くの方へ良い意味での刺激やきっかけを与えられた事の結果ではないかと思っています。
その反面、当然何ページにも渡って文章を読んだり、その感想をメールで送って頂けるのは、私の考えを認めて下さる方だけであって、そうでない方はそもそもこんなページに立ち寄らないし、間違いで訪れたとしても1〜2ページを読んでそれで終わりなわけで、良い反応が作者に届いたからと言ってそれがすなわち良いページであるとは限らない事も肝に命じて、常に読んでいただける人に有効で役に立つページを心がける事が第一だと思っております。
とりあえず「アクアリスト課外授業」の最後のページの前置きはこのぐらいにしまして、最終回の纏めの話に移ります。
この課外授業初っぱなからずっとかなり悲観的な事ばかりを強調してきましたので、もしかしたら読んだ方の中には「もう何もかも信じられない・・いつも快く相談に乗ってくれていた行きつけのショップも実は私にワケの分からない色水を売りつけるだけだったのか!」なんて気持ちになられている方も居るかもしれませんがちょっと待って下さい。
たしかにこれまで話題にしてきたような初心者をカモにするようなショップや商品が存在することは事実ですが、もちろん良心的なショップや機能がしっかりしていてそれでいて価格もそれほど高くないという優良商品も沢山存在します。
何の疑問を持つこともなく、また理論や技術を勉強し自分なりに判断するということなく進めば、それはそういった人達をカモにするような商品やショップに遭遇する可能性が有りますよ!という注意を喚起したいという気持ちが私の中にあったのだろうと思います。
ですから、町には私から見ても魅力のあるショップや応援したくなるようなショップ、思わず買いたくなるようなアクアリウム商品が沢山存在します。
また後述しますがアクアリストはアクアリウムショップが有ってこそアクアリウムを楽しめるのも事実です。
アクアリウムメーカーやアクアショップにはまだまだ頑張ってもらわないといけないところは有りますが、アクアリストは理論や技術を勉強したうえで、自分なりに判断し、ここだと思えるショップやこれだと思う商品には進んでお金を使い頑張っているメーカーやショップを応援するべきでしょう。
このコーナーを作成しだしてから色々な人に色々な意見を頂けましたし、また自分なりに考えている事の整理にも役立ちました。
その結果、昔はいかがわしい商品や商売の仕方が目に付き「なんてやくざなマーケットなんだ!」というふうに、”売る側に問題有り!”という思いが強かったのですが、そのやくざなマーケットがやくざなまま生き残っていけるのも買う側として技術や理論をしっかり持っていない人が多いという事が一番の要因であるという風に私の中で問題点がはっきりしてきました。
奇しくもアクアテロリストのコーナーはアクアリウムメーカーやアクアリウムのマーケットを批判する事を目的としているのではなく、”情報を得て技術や知識を習得し賢くアクアリウムを楽しむ”という事に主眼を置いて作成したページですので、その問題の改善に少しは役立てたのではないかと思っています。
また、アクアテロリストのコーナーに設置しております掲示板に頂いたご意見を総合的に判断しましても、売る側・買う側どちらの立場にあるかに関わらず「アクアリウムをやるには勉強は必須である。また、残念ながらそれをおろそかにするアクアリスト(特に入門間もない人)も少なくない」という印象をお持ちのようです。
要するに”アクアリストよ勉強せよ”というのが現在上手くアクアリウムを楽しんでいる先輩方からの総合的なアドバイスだと考えて良いようです。
ところで、最近はあちこちでアクアリウムショップが店終いする光景を見かけます。
都会のショップで出来てから半年や1年で店じまいしてしまうようなショップは潰れても仕方がない(見込みが甘かった、道楽で始めた、商売の仕方がまずかったetc)として、老舗の専門店も閉店してしまうケースも少なくないようです。
アクアリウムショップが無くなればアクアリウムショップでしか入手出来ない用品や生体を購入することが出来なくなるのでアクアリストにとってもアクアショップが閉店し少なくなることは悲しむべき事です。
「『ハイポを使えば安くて便利』とか、なんでも『自作しよう!』なんて言っておきながらなんて都合が良い奴なんだ!」とお思いの方も少なくないかもしれませんが、やはりアクアリウムのマーケットには繁栄してもらうにこしたことはありません。
ただし、今は異常といっていいほど不景気です。
世の中の会社ではリストラだなんだと大騒ぎです。
(ちなみにこのページを作成したのは1999年3月です、景気が良くなってからこのページをご覧になった方にはすこしピントがずれているかもしれませんが、その頃の事を思い出してみてください。)
バブルの頃は良かったです!
そもそも、日本の社会というのは10人で出来ることを”手続き”だ”承認”だと言って20人で行い、その20人分のコストを転嫁して売り上げるという構造が多かったのではないかと思います。
しかしながら現在の不況の中、世の企業ではどういった事がなされているかと言えば10人で出来る事は10人で行う(場合によっては8人で行う)、という改善を血を吐く思いでやっているのだと思います。
そうやってダイエットしなければ生きてゆけず、したがってリストラという社会現象に繋がっているのだと思います。
アクアリウムのマーケットについてはどうでしょうか?
アクアリウムのマーケットの前身と考えられる金魚屋さん、その昔金魚売りが「きんぎょ〜ぇ、きんぎょ!」と町を売り歩いていた頃には、春から秋にかけての半年間で1年の稼ぎを上げたそうですが、どうもアクアリウムのマーケットにもそういった風潮が残っているのではないかと思います。
たとえば(こんな商品が有るのか無いのかは知りませんがあくまでも例えとして)ハイポを溶かしただけの水に色を少し付けて容器入り1リッターの商品が1,500円というものが有ったとして、まさにそれは10人で出来る事を20人でやり20人分の人件費を価格に転嫁して販売する、半年働けば残りの半年遊んで暮らせる価格にして販売する、そういう事なのではないかと思います。
時代は変わります、昔は1年に10日間しか働かない粋な男と称された”おすもうさん”でさえ年に何十日も土俵に上がり地方巡業をし、それも無い日には後援会の催しに出たりとまるで、芸能人並みに働いています。
容器や包みを変えただけで、元の商品の価格の何倍にもなるような身のない儲け方はアクアリウムのマーケットに関わらず、これからの世の中、見直しを行いリストラして身のある儲け方にしない限り市場には認めてもらえないのではないでしょうか?
それからアクアショップの危機にはディスカウントショップの影響も少なくないようです。
要するに駅前にダイ○ーやイ○ーヨー○ドーといった大型スーパーが出来たので、昔から有った小さな商店街は客を奪われて廃業に追いやられる、といった構図とよく似ているかもしれません。
でも世の中には大型量販店が出来ても元気な商店街も少なくないです。
逆に好んで大型量販店の向かいに店を出す八百屋さんも見つける事が出来ます。
そういったケースは廃業に追いやられる商店街と何が違うのでしょうか?
やはり何と言っても量販店とは違う特色が有るからだと思います。
価格は多少高くても量販店より新鮮な野菜を売るとかそういった特色を備えてこそ量販店にかなうのではないでしょうか?
アクアリウムショップは残念なことにディスカウントショップより”新鮮な商品”を売ることは出来ません、なぜならアクアリウム用品には”新鮮”や”新鮮でない”といった違いが無い物がほとんどだからです。
じゃぁ、ディスカウントショップに勝てる物と言えば何でしょうか?
私は一番のものと言えば技術力ではないかと思います。
お客さんから「うちの水槽は○○が××なんです」という相談を受けたときに、きちんとした指導をせず、それを売れば上がり(儲け)が大きく、なおかつ1ヶ月ぐらいで使い果たすので続けて売れるような消耗品を売るだけといった対応をしているとすれば、それはまさにディスカウントショップに狙われても仕方がないでしょう。
「苔が・・」と言われたらこの薬品、「魚が病気になって・・」と言われたらこの辺の商品、「水の汚れって・・」と言われたらそこの水換え不要の濾過剤とバクテリアの素、といった具合に商品の能書きに沿った商品案内をし、「まあ、この辺のを皆さんよくお使いですねぇ・・」と自分は良く知らないんですけどという言い回しで済ませれば良いとすれば、まさにパートのおばちゃんでも対応できます。
もし貴方がディスカウントショップの店長だったとしてもこれで儲けが有ると知ったらこんなに美味しい話を見逃しはしないでしょう。
アクアリウムの専門店なのに、上記のようなディスカウントショップばりの商売の仕方をしているショップって少なくないように思います。
「まあ、この辺のを皆さんよくお使いですねぇ・・」なんて言葉を言うようなアクアショップは専門店がディスカウントショップとの違いを惜しげもなく捨てているとしか言いようがありません。
身のない商品を売って大きな利益を出すやり方をディスカウントショップに持って行かれたと嘆いているような考え方では店じまいするのも時間の問題ではないでしょうか?
専門店には専門店にしか出来ないようなサービスを提供し技術的な指導をしっかりとやり、まねしても”旨味”が少なくてだれもまねしようとは思わないような儲け方をするのが量販店に負けない元気有る商店街の八百屋さんになれる道ではないでしょうか?
私は今現在アクアリウムを問題なく楽しんでいる他の多くの人と同じように、アクアリウムに入門したての頃は、数々の失敗をしましたし魚も多く死なせました、要らない物や余計な物に沢山のお金をつぎ込み、それこそ色とりどりの調整剤や薬品、バクテリアの素も沢山買いました(^^;
私が今現在”してはいけない”と言っていることは自分自身ほとんどやりました・・
”失敗するケース”と言っているのは自分のやったケースです・・
でも何故か他のアクアリストに聞いてもたいがい同じ様な経験を積んで今に至っているように思います。
それはそういった人達から”授業料”と呼ばれています。
私はあるアクアリストからこんな言葉を聞きました「最近は世の中発達してるねぇ・・俺達の頃は高い授業料払わないといけなかったのに、今はインターネットなんかでこんなに良い手引きが幾らでも見つかるんだ!」
確かに昔よりは改善されているかもしれないですね。
でも現在でもまだまだ授業料を払わないと一人前のアクアリストにはなれないようです。
でも、この構図って私は何か変だよ!という気がしてなりません。
それは上納金を納めないとメンバーとして認められない不条理な組織への入門にも似ているような・・(^^;
だって、世の中の他の趣味と比べておかしいと思いませんか?
世の中の数々のお父さんに駅で傘の素振りをさせるに至ったのは、山の中で地面に置いた玉を棒で叩いて穴に落とす事が面白いと思わせたからでしょう。
ゴルフにしろ何にしろホビーというものは初めてやったとき(又は2〜3回目といった早い時期)に、やった人間に”これは面白い”とか”もう一度やりたい”という気持ちにさせる物ばかりです。
それに比べてアクアリウムというホビーはどうでしょう?
「アクアリウムは世界一難しいロールプレイングゲーム」でも書きましたが、アクアリウムでは入門したての人にとっては高いハードルが待ちかまえており、上手く行かなかったり魚が死んでしまったりと、どう考えてもアクアリウムの面白さや楽しさ、素晴らしさを味わうことなど到底出来ないのではないでしょうか?
入門初期に楽しさや素晴らしさを経験出来ないうえに、ある程度の授業料や上納金を納めなければ一人前には成れないとしたら・・・
それはアクアリウム人口が増える上での大きな障害ではないでしょうか?
そして残念なことにアクアリウムのマーケットはその授業料と呼ばれている入門するための上納金への依存率が高いのも事実です。
今現在の構造のままなら、もし入門したばかりの全てのアクアリストが濾過に関することや水槽の維持の仕方をきちんと学んでから始めるような状況になったなら、それこそ廃業や廃店に追いやられるアクアメーカーやアクアショップも少なくないんじゃないでしょうか?
また、残念なことにそういった構造を全て知った上で
という先輩アクアリストも居るということです。
アクアリウムというホビーは始めてから随分苦労をしなければ本当の楽しさや素晴らしさが味わえない特徴を持っています。
苦労したり苦痛を感じたりといった事が好きなマゾ的感覚を持った人を除けば、そういった特徴がアクアリウムという趣味をマイナーな物にしている一因だし、折角始めようと思った入門者が途中で挫折してやめてしまう事にもつながっていると思います。
アクアリウムに興味を持って”始めてみよう”と思う入門者は無限に存在するとは思えませんし、アクアリムをやってみたものの上手く行かず挫折してやめてしまったような人は、もう二度とアクアリウムをやってみようとは思わないでしょう。
これからのアクアリウムをマイナーな趣味から愛好者の多い一般的な趣味にするためには、いかにして”やってみようかな”と思う人を増やすかではなく、いかにして多くの人に”やってみたら楽しかった”と思ってもらえるかにかかっているのではないでしょうか?
我々のような一般アクアリストはアクアリウムに関する技術や情報をなるべく多くの人に知ってもらえるよう、こういった場を通して情報を整備し、アクアリウムショップは専門的な技術をもって、お客さんに対してお金を使わせるための指導ではなく、なるべく早くアクアリウムの楽しさを味わってもらえるような指導をし、アクアリウムメーカーは利益率が高いだけの儲け方にとらわれすディスカウントショップよりもアクアリウムショップの利益に繋がるような商品を作り、お互いが共存共栄していく・・・そういったホビーに成れれば日本のアクアリウム人口ももっと増えておかしくないと思います。
昨今のガーデニングブームを見ても、また自分が水草水槽に引き込んだ人間のその後を見ても、日本人はまだまだアクアリウムにのめり込む可能性を秘めた人は多いと思います。
一般アクアリスト、アクアリウムショップ、アクアリウムメーカーの三者が協力して入門したてのアクアリストに対して”安く””簡単に”そしてなるべく早い段階で、アクアリウムの素晴らしさを分かってもらえるように出来たなら、最終的にその三者全員に有益な結果となるのではないでしょうか・・・
とりあえずよしをが伝えたいことは一通り書き終えましたので、長々と独断で書き連ねました「アクアリウム課外授業」はこれにて一旦終了となります。
またアクアリウムをとりまく状況が変わって言いたいことが出来たなら第2部として再開するかもしれませんが、このコーナーはこれにて完全に終わりとなり”昔はアクアリウムをやるときにはこんなに苦労が有ったらしい”という過去の情報の一つになることを望みます。
また、長々とこのページを読んでいただきました皆様には改めてお礼を申し上げます。
時には”ムカッ”とするような記述もあったかと思います、読まれた人によっては御気分を悪くされるような部分も有ったかもしれませんので、最後にそういった方にはこの場でお詫びを申し上げます。