金食い虫の水槽

−初心者のおかす失敗は必ず頭脳と情報で回避できる−


このページはよしをのホームページのコンテンツの一部である「アクアテロリスト」コーナーの一ページです。
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アクアリウムってお金がかかります。
特に水草水槽って思った以上にお金がかかります。
水草水槽じゃなくベアタンクの水槽であったとしてもそこに飼育する魚の種類や色に拘りだすと、それもやっぱりお金がかかります。
古代魚や大型魚を飼えばやっぱりお金がかかります。

結局水草水槽に限らずアクアリウム雑誌の写真で紹介されているような、ただ熱帯魚が飼育されているだけではない人を引きつけるような水槽を持ち維持していくにはかなりお金がかかります。

そうですねぇ・・だいたいの感覚で言えばディスカウントショップの60cm水槽10点セットを9,800円で購入して始めたとしても、その水槽を水草水槽としてある程度納得できるように仕上げるまでには、少なくとも20万、平均すれば25〜30万程度のお金が必要に成るんじゃないでしょうか。

結構たいしたお金がかかると驚かれることでしょう。
でもそれはどうしようもない事実なのです。

その中には濾過装置のように一度購入すればずっと使い続けられる物から、死んでしまった魚やダメになった水草を買いなおすための費用や水質調整剤や餌や肥料などといった消耗品までが含まれます。

25万円と聞いて、「え〜そんなにかからないよ〜!」と今心の中でつぶやいている方も多いと思います。たぶん、そう思っている方はアクアリウムの技術や知識がそれなりに備わった方であるはずです。
そう、20万や30万といったお金がかかるのは全くの未経験者が初めて水槽を設置する場合の事であり、既に綺麗な水草水槽を持っているような経験者が、新しく水槽を追加するような場合にはそれほどかからないのです。

知識と技術があり、バクテリアを既存の水槽から移植するなどありとあらゆる手段を使えば(水槽のスタイルや完成時のレイアウトにもよりますが)雑誌の写真並みに美しい水草水槽を長期間維持できる装備を備えて、3万から7万円程度で作り上げることが出来ると思います。

20万と3万じゃ大きな違いがありますね。
もちろんその違いの中には既に有る水槽から水草や魚を移すことが出来るからという事もありますが、最も大きな違いは、無駄なことはせず最も近道を通って全問正解の回答が出来るからと言うことが何よりも大きな要因だと思います。

趣味の事ですから、なかには「3万で出来た物と20万で出来た物、結果が同じであったとしても20万で出来たときの方が喜びも大きい」と仰る方も居るでしょう。
そういう人ならばたぶん私のホームページのほとんどの部分はその意志を阻害する可能性が高いので、あまり見ないで他のサイトへ行かれることをお勧めします。

多くの方はなるべく失敗を少なく、最短距離に近くゴールにたどり着きたいと思うでしょう。
さて、そういう方に必要な物って一体なんでしょうか?

一番良いのは呼べば見に来てくれるぐらいの所にアクアリウムの知識と技術を持った友人が居ることでしょう。
残念ながらアクアリウム人口はそれほど多くないためにゴルフやテニス、スキーのように見渡せば教えてくれそうな友人がそう簡単に見つかる趣味では無いですね。
ではどうするか?

アクアショップに教えてもらう?
残念ながらアクアショップやアクアリウム雑誌というのは必ずしも皆さんの味方であるとは限りません。
このアクアテロリストのコーナーをさらに読み進んでいけば理解できると思いますが、アクアショップに訪れたお客さんの全てが、魚は死なず、水草は枯れず、水質調整剤は使わないというふうに成ってしまったら、数ヶ月のうちのそのアクアショップは店じまいをしなければ成らないでしょう。

さて、ではアクアリウムを知っている友人も居ない、アクアショップの言うことも全てを鵜呑みにすることは出来ないとすればどうすればいいのでしょうか?
それはアクアテロリストの一員に・・っあ、いや(^^ゞ・・そうではなくて、努力と苦労をするのです。
頭脳を使いましょう、私のホームページのような所を初めとして、あらゆる手段を使ってなるべく多くの情報に接するのです。

もちろんアクアショップやアクアメーカーの商品説明、アクア雑誌の商品紹介等のように、無条件に全てを信用してはいけない情報から、業界やショップの裏情報まで頑張れば色々な情報を手にすることが出来るでしょう。
それらを自分の頭を使って分析判断して下さい。

敵を知り己を知ればなんとやらです、そうしているうちに自ずと自分にとっての答えが手にはいるはずです。

行きつけのアクアショップの店員が言うからとかあのアクアメーカーの言っている事だからとか、あの雑誌に書かれていた事だからという理由で、それ以上の情報を入手する事をやめ、自分の頭を使って納得できる理論の元に判断するという努力をしなければ、貴方はアクアメーカーやアクアショップにとってありがたいお客さんに成ることは間違いないでしょう。

まずは課外授業の1現目のキーワードは「初心者のおかす失敗は必ず頭脳と情報で回避できる」です。

さらにアクアリウムにおけるお金に関する話をもう少し・・

私はホームページを通して事ある毎に自作とか自家製とか言っておりますが、別にお金をかけないでやることが全てに勝るとは思っているわけではありません。

アクアリウムメーカーに何でも「高い!もっと安くしろ!」なんて文句ばかりを言っているケチケチオヤジだと思われているかもしれませんが別にそういうわけではないです。

趣味の物ですから”消費する喜び”と言うものが必ず存在します。
買い物をして満足するとか良い物を使う喜びとかいうものが有って当然です。
私も(最近は滅多に行くことはないですが)アクアショップに行けば新しく買う物なんて何も無いはずなのに、何かを買って帰りたくなります。

車は人と荷物が積めて走ればそれで良いかといえばそうではありません、小さな100万円以下の軽自動車を持っている場合と、500万以上の高級車を持っている場合、支払った費用に比例して(所有しているという事を含めて)使用する事の満足感が大きくなるのは当然でしょう。

これはアクアリウムの世界においても同じように当てはまると思います。
では、全く何の問題も無いのでは?と思われがちですが、そこにアクアリウムという業界やマーケットの落とし穴が有るのです。

車を比較の対象にすると、100万の車と500万の車、当然500万の車の方が機能も優れているし製造コストも100万の車に比べれば何倍ものコストが掛かっています。

ところが千円のアクアリウム用品と5千円のアクアリウム用品、機能も製造コストも5千円の商品の方が劣っているという事もしばしばある事実なのです。

それから消費する喜びというのは消費することによって、又は消費する額の大きさによって、それなりに違った結果を得られて初めて喜びが伴うと思います。
100万の車を100万で買った場合と、100万の車を500万で買った場合、貴方なら後者の方が喜びが大きいですか?

結局必要な物に対してそれなりの効果が伴った消費をして初めて満足感が得られると思います。
先に述べたように頭と情報を使って本当に必要な物なのか、そしてそれに対して支払うに相当する効果が得られるかを判断する必要が有るというわけです。

それから、最後にアクアリウムで消費(浪費とも言う(^^;))を沢山するのは、アクアリウムを始めて1年も満たないような超ビギナーと、やれメタルハライドランプだのR/Oだのと高価な装置を揃える超マニアのどちらかです。

もし貴方がアクアメーカーのマーケティング部長だったとしたらどういう戦略を立てますか?
やはり必然的に沢山消費してくれるユーザー層にターゲットを置くでしょうし、超ビギナーと超マニアのどちらを目標にしやすいかとなると、どうしてもビギナーを目標にしたくなるのが当然でしょう。

理由は明白ですね、超マニアはそれなりに経験や知識があります、それに比べてビギナーはある商品を使ってもその効果すら見極められないのが普通ですから。

結局日本のほとんどのアクアメーカーはアクアリウムを始めてまだ経験の浅いユーザーになるべく自社の商品を買ってもらおうと躍起になるわけです。
中には「どうせビギナーなんだから効果が有ろうと無かろうとそれを見極める能力がないのだから、商品の能書きだけをいかにも効果があるように書いておくだけで良い」という極悪な方針のアクアメーカーが有ってもおかしくないわけです。(実際にそういったメーカーが有るか無いかは私の知るところではありません、しかし日本のアクアメーカーは全て真面目なメーカーでそういった悪徳メーカーは1社たりとも存在しないという可能性はかなり低いんじゃないでしょうか?)

この現象はアクアメーカーのみならずアクアショップについても同じ事が当てはまります。
中にはお客さんの事を大切にし、親身に対応してくれるアクアショップもあるでしょうが、知識や技術が無いという初心者の弱みにつけ込み次から次へと水質調整剤やバクテリアの素を売りつけ、結局薬漬けで安定しない水槽を作らせ、薬から抜け出せない中毒患者(中毒水槽)をつくりだしてしまうようなショップも有るようです。


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