何が真実なのか?(2002/03/13記)

この文章は2002年3月中旬に作成しております。
よって、それよりずいぶん経過してから読まれた方は、文章の内容についてあまりピンと来ないかもしれないことを初めにお断りしておきます。

文章の内容は2002年1月頃から話題になりました自民党の鈴木宗男議員についての話ですので、その件についてあまりよく分からないようなら以下の文章を読んでも面白くはないと思いますので、読み飛ばしされる事をお勧めします。


最近テレビニュースでは離党とか議員辞職をするとか、しないとかで鈴木宗男議員の話題で持ちきりです。
ニュースやワイドショー番組の視聴率は上昇し、タブロイド紙や週刊誌の売り上げもかなり伸びているのではないかと思います。

きっとこの文章が人様の目に触れる頃には鈴木議員の問題はひとまず決着している頃ではないかと思いますが、この文章を書いている今現在はと言うと、もちろん鈴木議員はまだ離党も議員辞職もしておりませんで、世の中ほとんどの人が鈴木宗男氏を非常に悪人と認識しており、かなりの人が離党のみ成らず議員辞職するべきと考えているものと思います。

しかし、私はそこにかなり危険な臭いを感じます。

まず一つ目の危険は、マスコミを含めてすべての機構が鈴木議員一人に全ての悪の根元というイメージを植え付けていますので、鈴木議員が議員辞職すればそれで全てが解決したと錯覚させられてはしまわないかということです。

そしてもう一つの危険は、本当に悪なのは鈴木議員だけなのかということです。

鈴木議員は自分の選挙区の企業に有利なように外務省に圧力を掛け、そしてその見返りとして地元企業から献金を受けていたという事が有りますが、この行為自体は何処の議員だって似たり寄ったりの事をしており、この行為自体が即違法かどうかと考えると、限りなく黒に近いグレーだと思います。

一方外務省では出張費やホテル代を水増し請求して各部署でそのお金をプールし、自分たちの宴会費用などに使用していたり、機密費を使って競走馬を買ったり愛人に貢いだりしていたわけです。
これは違法かどうかなんて考えるまでもなく完全な黒です。

機密費問題では法律的な裁きが下ろうとしていますが、税金でまかなわれている経費をちょろまかして宴会をしていた外務省という機関では誰も裁きを受けていません。
事が発覚してみんなで返納したということですがそれで許されるのでしょうか?

さてこの事だけを比較すると鈴木議員は限りなく黒に近いグレー、外務省は黒です。
ドングリの背比べになってしまいますが限りなく黒に近いグレーと黒ではどちらがより悪でしょうか?

数日前より鈴木議員が外務省職員を殴ったかどうかという話になっていますが、NGO問題では田中議員と鈴木議員が「言った」「言わない」ともめているときには、「言わない」と鈴木議員と同調して外務省が嘘をついた事は多くの人が理解している通りと思います。
外務省自体は嘘を言った前歴が有るのです、よって今回の件も、もしかしたら外務省の方が嘘を言っている可能性も有ります。
貴方なら外務省側の「殴られた」という言葉を信じますか、それとも鈴木議員の「事実無根」という言葉を信じますか?

世の中全ての悪の根元が鈴木議員だとイメージ付けられておりますので、そんな中で鈴木議員が外務省の職員に対して暴行を加えていたという報道がされると、人々は無条件にそのことを信用してしまいがちです。

しかし逆な可能性を考えると、外務省としては今回の全ての騒動を鈴木議員一人の問題と、問題点をすり替えてしまい、そして鈴木議員が辞職なり離党で権力を失うだけで、全ての問題は解決し、そしてまた4月から税金をちょろまかしたお金でお花見宴会でも出来れば、それに越したことはありません。

外務省改革に真剣に取り組もうとしていた田中議員は既に「言った」「言わない」事件の時に、田中議員に不利な嘘を付き、まんまと排除に成功しているのです、ここで続いて全ての責任を鈴木議員になすりつけてさらに排除する事が出来れば、一番得をするのは外務省です。

一番恐れるべきは中途半端な形で決着してしまい、数年後にまた鈴木議員が外務省に対して強い力を取り戻してしまうと、それこそ「同じ悪事を働きながらあのときは俺一人に罪をなすりつけたな!」ということで、どの様な報復があるかも分かりません。
ですから外務省としては何が何でも鈴木議員には再起不能で引退せざるを得ないほどに成ってもらわなくては困るわけです。

そう考えると外務省には嘘をつき、池に落ちた犬を叩くだけの大きな理由を見つけることが出来ます。

さて貴方なら、黒でありつい最近田中議員を貶める為に嘘を言った外務省を信用しますか、それとも限りなく黒に近いグレーの鈴木議員を信用しますか?


また、今回も延々とアクアリウムに関係のない話題で始まりましたが、私はアクアリウムに関してもそしてアクアリウムに関係ない事でも上記のように、テレビニュースやアクアショップの説明を自分なりに分析して考えてみる事無しに、頭から信用してしまうという事が失敗の元であると思います。

鈴木議員は悪者であるというイメージが植え付けられている所へ、「さらにこんな悪事を働いていたという噂があります」と聞くと、それが本当かどうか判断するという事をせず、なんて悪い奴なんだと思ってしまう。
アクアショップの店員の言うことは熱帯魚飼育のプロが言うことなので間違いはないと思っていると、効果のはっきりしない消耗品を勧められても、それが本当に必要な物なのか考える事をせず、それを使わなければならないと思い込んでしまう。

アクアリウムのみならずどんな事に対しても、もっと自分で情報を入手して自分で考えるという事が現在の日本人には必要なんだと思います。

テレビのニュース番組が言っている事なので間違いないとか、あのアクアショップが勧めている物だから良い物だとか、あのアクアメーカーの製品だから効果は間違いないといった考えは一旦捨てて、自分が信じたい、そうだと思うという事と全く反対のことを考えてみて、そしてその信憑性について自分で検証してみる事が出来なければ、本当の真実は見えてこないのではないかと思います。

アクアリウムグッズを購入するときでも、いつも親切に相談にのってくれている店員さんの言うことだからと無条件に信用するのではなく、もしかしたらこれは高価なだけでそれほど効果が無い消耗品かもしれないという考えを設定して、それを確認したりうち消したり出来る情報や材料を入手して、本当のところどうなのかという事を、自分で判断するという手順が一流アクアテロリストへの第1歩だと思います。

もちろん魚や水草の育成方法だって同じで、今まで通説とされてきたやり方に対して、一旦否定する方法を考え、それを検討することでその通説が本当にベストな方法であるか、ほかにもっと良い方法は無いかといった事を自分の中で判断すれば、もしかしたら今までにない素晴らしい飼育方法や考え方にたどり着けるかもしれません。

何が真実なのか、他人から言われた事や教えられた事をそのまま鵜呑みにした物は、たとえそれが本当の事であってもそれは偽真実や仮真実であって、本当の真実は自分で考え自分で判断した事の中にだけ存在すると思います。

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