水換え不要という言葉

アクアリウム用品の濾材や薬品の中でその製品の効能が”水換えが不要になる”というふうに書いてある商品がいまだに沢山存在します。

そもそも、そういった商品を購入しようとするアクアリスト達は、どうして水換えが不要に成ることを望むのでしょうか?

私はアクアリウムというものは趣味としてやることなので、そこには当然”労”があって初めて喜びや楽しさが伴うと思っています。

水換えもトリミングも餌やりも全て何もしなくてもとても綺麗な水槽が維持出来るとしら・・
そんな水槽を望んでいる人が居るならば良くできたレイアウト水槽の写真ポスターでも買って壁に貼り付けておくべきだと思います。
もしも動かないのが気に入らないなら水槽を撮影したVTRを購入し自宅のテレビで上映しておきましょう。

お金がある方はNECから「魚八景」という商品が発売されています、奥行き25cmのアクリル水槽の向こう側にテレビのブラウン管があり、そのテレビでレーザーディスクに記録された魚の画像が映し出されるらしいです。

それではアクアリウムでは無く、動く立体絵画をお金を出して購入し家に設置するのと何ら変わらなくなりますよね。

趣味としてアクアリウムを楽しむのなら、日常の管理や色々な苦労が有ってこそ初めて喜びが有ると思います。

水換え不要を望むアクアリストはヘリコプターで頂上に到着することを望む登山家と同じではないでしょうか?
もし、そういう事をする人が居たならそれは登山家ではなくタダの観光客という呼び方をされるでしょう。

同じように考えるならば水換え不要を求めるアクアリストはアクアリストではないと言って過言ではないでしょう。
部屋に絵画を飾るのと同じく、苦労せずインテリアとして綺麗な水槽さえ有れば良く、水草や魚を飼育することによってインテリアとして以外の喜びや楽しみを必要としていないのですから・・・

山の頂上からの景色は登山家でなくともヘリコプターに乗れば観光客にも目にすることが出来ます。
しかし、残念ながらどういった手段を使ってもアクアリスト以外には綺麗な水槽を持つことは出来ないのです。

水換え不要という商品を使っても実際に水換えが不要になる事は絶対にあり得ません、そんなことが有れば世の中のアクアリストが全員使っていますし、全国の水族館も使っているでしょう。
いまだにどんなハイレベルのアクアリストでもどんなに設備を整えた水族館でも水換えは行っています。

もしも、綺麗な水槽を持ちたいのなら観光客でなくアクアリストになりましょう。
もし自分はアクアリストだと思うのなら、ヘリコプターで頂上に到着する事を望む登山家になるのではなく、日常の水槽維持に励みましょう。

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